539日ぶりに、WBA・WBC統一スーパーミドル級王者のフランション・クルーズ=デゾーンがリングに戻る。金曜日、ニューヨーク州ヴェローナのターニング・ストーン・リゾート&カジノで開催される国際ボクシング殿堂入り式典の週末イベントの一環として、シトラリ・オルティスを相手に王座防衛戦を行う。
ボクシングにおいてタイミングはすべてだが、クルーズ=デゾーンの復帰はまさに絶好のタイミングと言える。彼女は2度目のスーパーミドル級4団体統一王者を目指しており、その第一歩として、まずは金曜日にメキシコ代表の2024年オリンピアンであり輝かしいアマチュア歴を持つオルティスを退けなければならない。
「この試合は、私が目指すべき目標を与えてくれたという点で素晴らしいものです」と、殿堂入り式典の週末に出場できることについて『
ザ・リング』誌に語ったクルーズ=デゾーン。「この試合は注目のカードになるでしょう。みんながレジェンドたちの殿堂入りを祝福しに集まる中で、未来のレジェンドである私の姿も目にすることになりますから」
クルーズ=デゾーン対オルティス戦の勝者には、WBCから記念の「ジューンティーンス・フリーダム・ベルト」が贈られる予定だ。この試合は、クルーズ=デゾーン(9勝2敗、2KO)にとって、サリータ・プロモーションズに所属してから初めての試合でもある。
同プロモーションには、ヘビー級で全ベルトを保持する3度の4団体統一王者かつ2度の五輪金メダリスト、クラレッサ・シールズも所属している。今週初めには、世界トップ10にランクされるミドル級のオリビア・カリー(7勝2敗、2KO)とケイ・スコット(4勝1敗)も新たに契約を結び、クルーズ=デゾーンはそのグループに加わった。
37歳のクルーズ=デゾーンが最後に戦ったのは2023年12月15日で、当時無敗だったシャダシア・グリーンに初黒星をつけ、判定勝ちでWBCとWBA暫定スーパーミドル級王座を獲得した。その後、2024年3月25日には、手の負傷で療養中だった現IBF王者サバンナ・マーシャルのWBO王座剥奪およびWBC休養王者認定を受け、クルーズ=デゾーンがWBAの正規王者に昇格した。
グリーン戦の勝利後、クルーズ=デゾーンは長期離脱を余儀なくされたが、その理由について彼女は「ハイリスク・ローリターン」と見なされ、対戦相手の確保が困難だったためと説明している。そして今回、サリータ・プロモーションズとの契約を経て、オルティス(4勝1敗、1KO)との試合が実現した。
それでもクルーズ=デゾーンは、約18か月に及ぶリングからの離脱期間があらゆる面でプラスになると信じている。
「私はこの期間を、身体と心を回復させ、自分の魂と向き合う機会として捉えました」と彼女は語る。「これこそが私の望んでいることです。今回は良いキャンプができて、すべてがかみ合っていると感じています。体調も万全ですし、私は勝ち方を知っている。それを実行するつもりです」
クルーズ=デゾーンが初めてスーパーミドル級4団体統一王者となったのは、2022年4月30日、マディソン・スクエア・ガーデンでエリン・セデルースに判定勝ちしたときだった。しかしその統一王座は、約1年後の初防衛戦でサバンナ・マーシャルに僅差判定で敗れ、手放すこととなった。
彼女が再び168ポンド級全ベルトを手にする道筋は、今年7月11日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われるケイティ・テイラー対アマンダ・セラノ第3戦のアンダーカードで、WBO王者シャダシア・グリーン(15勝1敗、11KO)とIBF王者サバンナ・マーシャル(13勝1敗、10KO)が統一戦を行うことで、より明確になってくる。
その両者のうち、クルーズ=デゾーンは誰が自分との4団体統一戦に乗り気かを理解している。
「シャダシアは私の名前を口にしない。でもサバンナは“あんたには最前列に来てほしい”って言ったの」とクルーズ=デゾーン。「“サイレント・アサシン”が“ビッグママ”を最前列に呼ぶなら、もちろん私は行くし、女子ボクシングの熱烈な支持者としてカード全体を応援するわ」
一方、25歳のオルティスはアマチュア・オリンピック経験豊富な難敵であると承知しつつも、2度目の4団体統一王座を目前にした今、クルーズ=デゾーンは準備に一切の妥協を許していない。
「最近は遊びでやってることなんて一つもないの」と彼女は言う。「私は戦いに来る。自分の報酬を手にしに来る。そして“ヘビー・ヒッティング・ディーバ”と呼ばれる理由を見せるために来る」
「彼女は私の目標達成の邪魔になる存在。私は彼女に勝つための武器を持っている。それをやるだけ。私は使命に集中しているの」