カール・フランプトンは、ニック・ボールが井上尚弥を破ることができれば、ロイド・ハニガンの伝説的勝利を超える「英国ボクシング史上最大の勝利」になるかもしれないと認めており、その実現を信じて応援している。
井上は現在、パウンド・フォー・パウンドで世界最強との声も高い。これまでに4階級で世界タイトルを獲得し、そのうち2階級では4団体統一王者となり、戦績は29戦無敗(26KO)という驚異的なものだ。
スーパーバンタム級で全ベルトを保持している日本のスーパースター井上尚弥は、現在フェザー級への転級を検討中とされており、ニック・ボールはすでに自らのWBA王座を懸けた対戦を公然と提案している。
かつてフランプトンは、“ザ・レッキング・ボール”こと28歳のボール(22勝0敗1分、13KO)が井上に勝てるスタイルを持っていると発言し、注目を集めたこともある。そして彼は、この勝利が実現すれば、間違いなく英国ボクシング史に語り継がれる快挙になると確信している。
カール・フランプトンは、2016年にスーパーバンタム級の世界王者からフェザー級に階級を上げ、WBA王座を獲得したことで『The Ring』誌の年間最優秀選手に選ばれた。これは、まさに井上尚弥がニック・ボールとの対戦で目指している道と同じだ。しかしフランプトンは、井上がその試練に苦しむ可能性があると見ている。
彼はこう語った。
「ブックメーカーはそう思わないかもしれないが、自分にとってはニック・ボールがこの試合での本命だ。
彼の試合を観るのが本当に好きだし、井上のようにライトフライ級から始めた選手には、上の階級には限界があると思っている。
フェザー級がおそらく井上の限界で、もしかしたらスーパーフェザーまで行けるかもしれないが、それ以上は厳しいと思う。ニック・ボールの粘り強さ、フィジカル、パンチ力、そして打たれ強さは、井上にとって相当な脅威になる。」
ちなみに、英国ボクシング史上最大の番狂わせのひとつとされるロイド・ハニガンの勝利からは、今年9月でちょうど39年が経つ。サウスロンドン出身のハニガンは、当時無敗(25勝)のドナルド・カリーをアトランティックシティで破り、世界を驚かせた。そのカリーは当時、パウンド・フォー・パウンド最強とも言われていた。
そしてフランプトンはこう語った。
「たとえ自分がニック・ボールにチャンスがあると思っていて、彼を本命に挙げたとしても、もしボールが井上尚弥に勝てば、それはロイド・ハニガンがドン・カリーを倒した試合と並ぶ歴史的勝利になる。いや、それ以上かもしれない。
井上は“ザ・モンスター”であり、ほとんどの人が彼をパウンド・フォー・パウンドのトップ3に挙げる存在だ。だからこそ、ボールにとってそれはとてつもなく大きな勝利になるだろう。」