まさに絶妙なタイミングと言えるだろう。4団体統一王者として3度目の栄冠、そしてヘビー級では2度目の統一を目指す
オレクサンドル・ウシクが、子どもの頃からの夢であったロンドンのウェンブリー・スタジアムでの試合を、来月実現させる。その舞台は、IBF王者
ダニエル・デュボアとの再戦である。
しかし、その試合においては長年のプロモーターであったアレクサンドル・クラシュークの姿はリングサイドにない。K2プロモーション代表であるクラシュークがSNSを通じて、両者が決別したことを明かしたためである。
しかし、その試合においては長年のプロモーターであったアレクサンドル・クラシュークの姿はリングサイドにない。K2プロモーション代表であるクラシュークがSNSを通じて、両者が決別したことを明かしたためである。
「信じられないほど素晴らしい旅だった——12年間の成功の軌跡。2013年、2人の若き夢追い人が出会い、ボクシング界を変えるための旅が始まった。私はあなたに約束をし、それを守った。当時、私たちが目指すものを成し遂げられると信じた者は誰もいなかった。しかし神の恵みにより、私たちは不可能な任務をやり遂げたのだ」と投稿には綴られている。
その投稿には、クルーザー級での4団体統一を達成するまでの軌跡、ロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムという敵地で戦い
アンソニー・ジョシュアを破った瞬間、そしてその後サウジアラビア・リヤドで行われた元英国ヘビー級王者
タイソン・フューリーとの2連戦に至るまで、長年にわたる歩みを収めた写真が一連で添えられていた。
「夢が叶った。私たちが共に歩んできたすべてに感謝し、ダブル・アンディスピューテッドの生涯プロモーターでいられたことを光栄に思う。主があなたの今後の歩みを導き、祝福してくださいますように。すべてに感謝します。」
このニュースが報じられたことは、チーム・デュボアにとって格好の材料となるだろう。これまで一貫してスキャンダルのなかったウシク陣営から、今回のような陰謀論やネガティブな報道が出ることで、再戦に向けてあらゆるアドバンテージを引き出す動きに繋がることは間違いない。
クラシュークはSNS投稿の中で、彼らが共に達成してきた数々のマイルストーンを振り返った。2016年9月には、当時無敗だったポーランドの王者クジシュトフ・グウォヴァツキに12回判定勝ちを収め、WBOクルーザー級王座を獲得。その後も快進撃を続け、8年後には2階級での4団体統一王者という偉業を成し遂げたのである。
クラシュークは、元暫定世界スーパーライト級挑戦者のセルヒー・フェドチェンコらを起用した2006年のイベントでプロモーターとしての第一歩を踏み出し、2010年から2011年にかけてイベントの開催頻度を増やしていった。当時、ウシクはアマチュアとして世界的な舞台で活躍し始めていた。
2009年9月に開催されたAIBA世界選手権準決勝で、ロシアのサウスポー、エゴール・メホンツェフに14対10で敗れて以降、ウシクはアマチュア・プロを問わず一度も敗れていない。以後、世界各地でタイトルを獲得し、プロの世界でもその実力をいかんなく発揮している。
現在38歳のウシクは、現時点でこの件についてコメントを出していないが、今後なんらかの形でこのニュースに言及すると見られている。