マルティン・バコレは、自分の名前が出るだけで他のヘビー級選手が恐れて身を隠すと信じている。しかし、フィリップ・フルゴビッチはそうではなかった。コンゴ出身の巨漢がどれほどの実力を持つのか、確かめたいと思ったのだ。

だが、その思いはどうやら一方通行だった。

「オファーはあったが、彼はやりたくないと言った」とフルゴビッチは最近『The Ring』に語った。「彼は戦いたくなかったんだ」

フルゴビッチはかつてバコレを高く評価していた。長年にわたり、バコレは自らが“秘められた逸材”であると世界に叫ぶだけでなく、それをリングで証明してきた。そしてついに昨年8月、ジャレッド・アンダーソンとの大舞台でその実力を発揮する機会を得ると、見事にものにした。

しかし、アンダーソンにプロ初黒星を与えた──それも5回KOで倒した──唯一の男となった後、奇妙な変化が起きた。フルゴビッチの目には、そこから慢心が芽生えたように映ったのだ。そしてリング上での結果は下降線をたどった。

バコレは、もはや何かを証明しようとする男のようには振る舞わなくなった。笑顔を見せることが増え、ブランド服に身を包み、好きな物を好きなだけ食べるようになった。フルゴビッチも、努力の成果を楽しむこと自体は肯定するが、彼の目にはバコレは度を越してしまったように映った。

「長い間、彼は戦士だったと思う」とフルゴビッチは1対1のインタビューで語った。「だが、たった一度いい試合をしただけで、体重が一気に500ポンドも増えたようなものだ。気が緩んで、グッチの店を丸ごと買い占めたんだ」

アンダーソン戦での勝利以来、バコレは下り坂を走っている。今年2月22日、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナでジョセフ・パーカーと短期決定の試合に臨み、2回でストップ負け。言い訳はできたかもしれないが、ブランド価値には大きな打撃となった。

そして5月3日、さらなる失望が訪れる。サウジアラビア再登場となるエフェ・アジャグバ戦では「前回とは違う」と宣言したものの、結果はマジョリティ・ドローに終わった。

フルゴビッチ（18勝1敗、14KO）も自身のキャリアに満足しているわけではない。しかし、彼が批判する男とは違い、「正しい」やり方で進めていくつもりだ。

数日後の8月16日、再びANBアリーナでデビッド・アデレイと対戦する。2024年に喫したダニエル・デュボアへの8回KO負けから距離を置き、その後に収めたジョー・ジョイスへの判定勝を足がかりに前進を目指す。

アデレイのような相手に挑むことは正しい方向への一歩だが、28歳のロンドン出身者が本当に自分を試せる存在だと思うか？ フルゴビッチの答えは明白だ。

「彼がこれまで対戦した中で一番タフな相手だとは思わない」とフルゴビッチは言う。「だが、彼は俺のような男と戦ったことがない」