アンドレ・ウォードは2017年にボクシングから身を引いた決断に大きな満足を感じている。しかし、ここに来て殿堂入り王者が、ビッグファイトのためならリングに戻ることも厭わないことが明らかになった。
「俺とアンソニー・ジョシュアだ」とウォードは今月、自撮り動画の中で語った。「それならウェンブリー・スタジアムでやる試合として受ける。」
ウォードはしばしば「ファイターのお気に入りのファイター」と呼ばれる存在だ。
フィラデルフィア出身のスター、
ジャロン・エニスもその一人で、彼はウォードがリングを支配する姿を見て育った。2016年と2017年にウォードがセルゲイ・コバレフを連破した試合にも、畏敬の念を抱きながら見入っていた。
当時のウォード(32勝0敗、16KO)は、誰もが認めるPFPナンバーワンであり、175ポンド級の統一王者でもあった。だがそれはすでに約10年前のことだ。41歳となったウォードが現役引退を即決したのも当然であり、ジャロン・エニスは彼の復帰の可能性を快く思っていない。特に、10年近いブランクを経て復帰し、巨体で強打を誇るヘビー級スター、
アンソニー・ジョシュアと戦うというシナリオは到底受け入れられないと考えている。
「俺は反対だ」とエニスはYSM Sports Mediaに語った。「彼は引退を続けるべきだ。アンソニー・ジョシュアはデカい男だからな。」
ジョシュアは長年ウォードの頭の片隅にあった。コバレフに勝利した後、ウォードとチームは「まずトニー・ベリューとの準備試合を経て、最終的にジョシュアと対戦する」計画を認めていた。
しかし人生は計画通りには進まず、ウォードは膝の問題を理由に引退を選択した。
その間にジョシュアのキャリアは浮き沈みを繰り返した。2度にわたり統一王者となり、ウラジミール・クリチコ、ジョセフ・パーカー、アンディ・ルイスJrらに勝利してヘビー級の頂点に立ったこともあれば、逆にどん底にも落ちた。直近では
ダニエル・デュボアに5回TKOで完敗したことが記憶に新しい。
現在35歳のジョシュアは今後の選択肢を模索している。可能性は低いものの、ウォードにオファーが届くこともあり得る。しかしエニスは、仮にそうなってもウォードは受けるべきではないと考えている。
「アンドレ・ウォードにはそれをやってのけるスキルはある。でも相手は大きすぎる」とエニスは言う。「ジョシュアのパンチに耐えられるか分からない。彼は引退を続けて、これまでの努力の成果を楽しむべきだと思う。」