ノッティンガム出身のライトヘビー級
エズラ・テイラーは、長年にわたって「完成されたパッケージ」と評されてきたが、マリク・スコットと手を組むまでは、自身でも本当にそうだとは感じていなかったという。
テイラー(13勝0敗、9KO)は、プロ初戦から11戦にわたって一度も躓くことなくキャリアを重ねてきた。そのため、今年初めに新たなトレーナーを求めてロサンゼルスへ拠点を移す決断を下したことは、少なからず周囲を驚かせた。
しかし、元ヘビー級コンテンダーで、現在は新進気鋭の指導者として注目を集めるスコットとの新体制は、23時間に及ぶ米国の拘留施設での滞在という、これ以上ないほど不吉な形で幕を開けることとなった。テイラーは、メキシコ・マサトランで行われたジェラルド・ワシントン対カルロス・エドゥアルド・カルデナス戦を観戦するため南下し、ワシントンが3回KO勝ちを収めるのを見届けた。しかし米国へ再入国しようとした際、31歳のテイラーは英国へ強制送還されると告げられたのである。
「今はもう、ここに落ち着いているから大丈夫だよ」とテイラーは、ウエスト・ハリウッドにある仮住まいのアパートのリビングから語る。「前回は本当に強制送還されたんだ。あれはトロイ・ジョーンズ戦の2週間前で、正直言ってクレイジーだった。23時間も拘留施設に入れられるなんて理想的な状況じゃないし、試合に向けてトレーニングしている時にああいうことが起きるのは、やっぱり少し異様だよ」
それでも、その騒動が彼の歩みを止めることはなかった。スコットの下での初陣となった一戦で、テイラーはキャリア唯一の無敗だった相手、ジョーンズを10回戦で大差の判定に下した。さらに5カ月後、新たに誕生した大西洋横断型のトレーニングチームは2戦2勝とし、ロンドンのO2アリーナで
スティード・ウッドールを9回TKOで退けた。
そして現在、テイラーは次戦に向けて再びロサンゼルスに戻り、準備を進めている。その相手は、彼自身が「キャリアの中で間違いなく最も厳しい試練」と表現する相手である。1月24日、
テイラーはマンチェスターのコープ・ライブ・アリーナで、『The Ring』誌ライトヘビー級10位にランクされるウィリー・ハッチンソンと対戦する予定であり、キャリアで初めてブックメーカーの下馬評ではアンダードッグに立たされている。
しかし、テイラー自身にとっては、この試合は決してフェアなものではないという。
「リングに上がる時は、普通は1対1だ」とテイラーは説明する。「でも今は、マリクがコーナーにいるから2対1みたいな感覚なんだ。それくらいの自信を、彼と組んでからは誰と戦う時でも持っている。マリクが人生にいてくれることに、本当に感謝している。彼はまさにゲームチェンジャーだ」
「彼は父親のような存在であり、メンターでもある。すべてが的確なんだ。人としての資質や性格が素晴らしくて、僕が目指したい存在でもある。道徳観や倫理観、信念もしっかりしている。リングの内外で本当に多くのことを学んでいるよ。お互いに神を敬う気持ちを持っているところも共通している。要するに、これは単なるボクシング上の関係じゃない。人としての強い絆があるんだ」
テイラーにとって、今年のクリスマスは存在しなかった。故郷ノッティンガムでの恒例の祝宴を避け、トレーニングキャンプを優先し、年末年始も一切ペースを落とすことはなかった。
「今はどっぷり修羅場の中だよ」と彼は笑顔で語る。「ここにはクリスマスなんてない。
今回のキャンプは長くて、すごく実りがある。毎日、気候や環境の違いに慣れていく必要があるからね。アメリカはイギリスとはまったく別世界だ。トレーニングスタイルもメニューも過酷だけど、順応しなきゃいけない。その成果は試合を見れば分かるはずだ。毎試合ごとに確実に良くなっている」
「こっちではアパートを借りて、基本的にはそこで過ごしている。そしてトレーニングのために移動するだけだ。ノース・ハリウッドで練習して、ウエスト・ハリウッドに住み、あとはひたすらやるだけ。1日に2回か3回はトレーニングしている」
「僕たちはやるべき作業をしっかり積み重ねられるし、決まった時間枠に縛られることもない。1時間で終わり、なんてことはなく、必要なら2時間でもやる。左、右、その一つひとつを完璧にしたいなら、納得いくまで何時間でも取り組む。だから理想的なんだ。この関係性、このダイナミクスは完璧だよ」
では、4歳年下ながらプロとしては遥かに豊富な経験を持つハッチンソンについて、テイラーはどう見ているのか。才能あるスイッチヒッターであるハッチンソンは、2024年9月にジョシュア・ブアツィに僅差で敗れたものの、現在は世界タイトル挑戦へ向けて執念を燃やしている。
「もうゲームプランはできている」とテイラーは言う。「やるべきことは分かっているし、それは僕が普段やっていることの延長線上にあるだけだ。
だからこそ、みんなに言い続けている。おそらくウィリー・ハッチンソンのベストは、もう見たはずだ。でも、僕のベストはまだ誰も見ていない。そこに注目してほしいんだ。
彼がどういう選手かは分かっている。構えをスイッチして、トリッキーだ。だから左構え、右構え、スイッチヒッター、あらゆるタイプとスパーリングする必要がある。ロサンゼルスのスパーリングは本当に凄まじい。前にも言ったけど、人間的に鍛えられる。何が自分を強くし、何が自分を壊すのかが分かる」
「ここにいる強みは、そうした多様なスタイルを相手にできることだ。マリクにはすべて任せている。彼は自分の仕事における真のマスターマインドだからね。
ワクワクしているよ。難しいからといって、リングでバク転をする必要なんてない。全く別のことをやるつもりもない。ただ、最高のエズラ・テイラーとしてリングに上がるだけだ」