元英国王者のレノックス・クラークは、イングランド・チェルトナムでコカインを密売人に供給した容疑での逮捕を逃れようとした末、実刑判決を受け収監された。
33歳のクラークには懲役6年4か月の判決が言い渡されたが、自宅軟禁下で過ごした期間が考慮され、実際の服役期間は317日短縮されることとなった。
また、スタウアブリッジ出身でコモンウェルス・スーパーミドル級王者でもあったクラークは、密売人ベン・ゴフの逮捕を受けてグロスターシャー警察から注目人物とされる以前に、計12回にわたってゴフと接触していたことが明らかになっている。
クラークは当局の追跡を逃れるために国外へ逃亡し、その間にアイルランド、タイ、メキシコを訪れていた。
マット・フィリップス警部補は「ゴフが逮捕された直後、クラークは数か月にわたる逃亡生活に入る決断をしました。最初のうちは、地元のホテルに数泊していたようで、警察が自分を追ってくるのかどうかを探っていたのだと思われます」と語った。
「その後、彼はウェールズ経由でアイルランドに渡り、さらにタイやメキシコなど各地で逃亡生活を続けた末に、イギリスへ戻ったところで逮捕されました」と語った。
クラークは2019年から2022年にかけて、レロン・リチャーズ、ウィリー・ハッチンソン、マーク・ヘフロンとの試合で、フランク・ウォーレン率いるクイーンズベリー・プロモーションズのもとプロモートされていた。
しかし、ボクシングファンの注目を集めたのは、2021年3月に行われた試合で、圧倒的有利と見られていたウィリー・ハッチンソンを5ラウンドKOで沈め、英国王座とコモンウェルス王座を同時獲得したあの鮮烈な勝利だった。
判決を言い渡した裁判官は、2012年にもクラスB薬物の供給で有罪判決を受けていた元ボクサーのクラークに対し、「教訓をまったく学んでいないことは明白だ」と厳しく指摘した。