ボクシング界は、クリス・ユーバンク・ジュニア vs. コナー・ベン戦について、クリス・ユーバンク・シニアの意見を待ち続けていた。
そして金曜の夜、ついに元2階級制覇王者が沈黙を破り、「その試合は実現しないだろう」と断言した。
ユーバンク・シニアは、ブライトンで甥のハーレム・ユーバンク(21勝0敗、9KO)がタイロン・マッケンナを10ラウンドにわたって圧倒する様子をリングサイドで見守った。
ハーレムは冷静かつ知的な試合運びで、粘り強いものの格下だったアイルランド人ファイターを解体し、3度のダウンを奪った末に試合をストップに追い込んだ。
この勝利により、ユーバンクはIBFウェルター級ランキング王座を獲得。
試合後のインタビューでは、世界タイトルへの挑戦を視野に入れていることを語ったが、同時にコナー・ベンとの対戦を強くアピールした。
しかし、ここには大きな障害がある。
現在、ベンはミドル級に階級を上げ、4月26日にロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで、ハーレムのいとこであるクリス・ユーバンク・ジュニアとの延期された因縁マッチに向けて準備を進めている。
ハーレムの叔父であるユーバンク・シニアは、この試合が最初に浮上した2022年夏以来、一貫して批判的な立場を取っている。
ユーバンク家とベン家の因縁は30年以上にわたって続いている。
1990年、クリス・ユーバンクがコナー・ベンの父ナイジェル・ベンを破り、2人は1993年に物議を醸す引き分けに持ち込んだ。
今回の対戦に向けた記者会見ツアーでは、ナイジェル・ベンが常に登場し、ユーバンク・ジュニアの頭に卵を割るなど挑発的な行動を取った。
一方、ユーバンク・シニアはこの一連のイベントに姿を見せず、その不在が話題となっていた。
しかし、試合後のインタビューでユーバンク・シニアは甥のハーレムの横に立ち、ユーバンク vs. ベンの対決は今年中に必ず実現するが、それはジュニアではなく、ハーレムとコナーの対戦になると予言した。
「ここで言っておこう。ハーレムの体重は今、70キロほどだ。つまり、コナー・ベンと同じ体重帯にいる。彼らは普段からほぼ同じ階級で動いている」とユーバンク・シニアはチャンネル5のインタビューで語った。
「ハーレムは147ポンド(ウェルター級)のファイターだ。そしてコナーもかつては147ポンドのファイターだった。だが、彼は甘やかされ、間違った方向へ導かれてしまった。
本当に戦うべき相手はここにいる。この試合(ユーバンク・ジュニア vs. ベン)は流れるだろう——必ずな。そして、その時、ハーレムが準備万端でいるはずだ。」
「試合の日程は違うかもしれないが、結局、次に組まれるべき試合はハーレム vs. コナー・ベンだと私は確信している。」
ユーバンク・シニアは、当初2022年10月に予定されていたユーバンク・ジュニア vs. ベン戦が実現しないと一貫して主張していた。
そしてその予言は的中。試合直前にベンがVADAのドーピング検査でクロミフェンの陽性反応を示し、試合は中止となった。
その後、ベンの2度目のドーピング違反が発覚し、彼は複雑な法廷闘争に巻き込まれることとなった。
昨年末、ようやくイギリスでの試合復帰が認められ、ユーバンク・ジュニアとの交渉は本格的に再開。
今年に入り正式契約が交わされ、4月26日の試合が決定した。
しかし、ユーバンク・シニアは、またしても試合は実現しないと断言。
その場合、ハーレムが代役としてベンと対戦することになると主張した。
「過去の発言を振り返ってほしい。最初に試合が決まったとき、私は『この試合は実現しない』と言った。そして実際に、試合前日に中止になった」とユーバンク・シニア。
「今回も同じだ。ハーレム『ザ・ゴールド』ユーバンクが、コナー・ベンにとって本来戦うべき相手だ。彼は長年、不当に冷遇されてきた選手だ。」
「彼ら(プロモーター)はコナー・ベンのキャリアを台無しにしてしまった。彼が再び評価を取り戻す唯一の道は、無敗のユーバンクを倒すことだ。そして、その相手はジュニアではなく、ハーレム・ユーバンクなんだ。」