スターになるには長い年月を要する。だが、オスカー・デラホーヤは、自身が擁するバージル・オルティスJr.こそ、その域に達した存在だと確信している。
まだ世界タイトル挑戦のチャンスには恵まれていないが、「それは時間の問題だ」と、殿堂入りの元王者デラホーヤは語る。
これまでオルティスには常に疑問の声がつきまとっていた。「本当にそこまでの実力があるのか?」「パンチ力は本物なのか?」「トップレベルで通用するのか?」——そうした疑問のすべては、ここ2戦の内容で明確に払拭された。
セルヒー・ボハチュクとイスライル・マドリモフは、オルティスに本格的なプレッシャーをかけた。だが、オルティスは怯まずに逆襲してみせた。
その2連勝を経て、オルティスはジュニアミドル級の王者たちとの対戦を望んでいる。ここで動き出すのがデラホーヤだ。
カリフォルニアのどこかにある自身の豪邸で顎に手を添えながら、デラホーヤは思案している。彼は、オルティス(23勝0敗21KO)が3人の王者のうち誰かと戦う資格をすでに手にしていることを理解している。
とはいえ、すぐに試合を決めなければならないという焦りはない。154ポンド級の頂点が渋滞しているわけではなく、むしろ多くの名だたる選手たちがひしめくこの階級において、オルティスの選択肢は尽きることがないのだ。
「バージルにはたくさんの選択肢がある」とデラホーヤはFightHype.comのインタビューで語った。「すごくワクワクしてるよ」。
セバスチャン・フンドラとの一戦は、スリリングなスタイルのぶつかり合いになるだろうし、バフラム・ムルタザリエフとの一戦となれば、荒々しい撃ち合いが期待される。だが、デラホーヤはさらに特別なカードを思い描いている。
「想像してみてくれ。もし(エロール)スペンス対バージルの試合をダラスのスタジアムで組めたら——」とデラホーヤは続けた。「確実に満員になるだろうね」。
テキサス対テキサス。少なくとも興行面では、理にかなったカードであることは間違いない。だが、この対戦が実現しにくい理由は明白だ。エロール・スペンスが長く表舞台から姿を消していることだ。
最後にリングに上がってから、すでに約2年が経過している。そして、その最後の試合は、スペンスのキャリアの中でも最悪の記憶と言っていいだろう。
2023年7月、スペンス(28勝1敗22KO)はテレンス・クロフォード戦で一方的に打ちのめされ、ほぼすべてのラウンドで圧倒された末に、第9ラウンドでストップ負けを喫した。
スペンス本人からは、時折復帰をほのめかすような軽い発言があったが、ファンの期待が高まるたびに、それは霧消してきた。現時点では復帰の兆候は見られない。
だが、もしスペンスがリングに戻ってくるのなら、デラホーヤは「ビジネスの話をしたい」と考えている。
「それは検討に値する話だ」とデラホーヤは語った。