エロール・スペンスは、2023年7月に行われた
テレンス・クロフォードとのウェルター級4団体統一戦でKO負けして以来、極めて目立たない存在になっている。
かつてウェルター級統一王者だったスペンスが再びリングに戻るとすれば、154ポンド級での戦いになる見込みだ。オルティス陣営も、ジャロン・エニス戦ではなく“テキサス決戦”となるスペンス戦の実現を強く望んでいる。
スペンスは正式に現役復帰を宣言していないものの、水面下でカメラのないところで再起に向けた準備を進めている。
月曜、殿堂入りボクサーであり現在はトレーナー、解説者、そしてプロモーターとして活動するロイ・ジョーンズ・ジュニアが、スペンスとダラスで会い、トレーニングを共にして今後タッグを組む可能性を探る予定であることを明かした。
「彼の現状を確かめて、再び立ち上がる手助けをしたいと思う」とジョーンズはアンドレ・ウォードとの番組『All The Smoke Fight』で語った。
「彼がもう一度馬に乗って走り出す姿を見たい。できることは何でもしてやりたい。トレーナーになる必要はない。ただ数日一緒に汗を流して、今の彼の状態を見てやりたい。もし本人が気に入れば、それでいい。とにかくもう一度立ち上がる手助けをしたい。誰にでもこういう時期はある。大事なのは“倒れたかどうか”じゃなく、“そこから立ち上がれるかどうか”だ。誰もが彼が立ち上がる姿を見たいと思っている。もし彼があと一試合だけ、楽しみのために、“最後は自分らしく戦い抜いて終わりたい”と言うなら、それもいいと思う。自分は彼が賢く正しい決断を下せるように手を貸したい。もしまだ闘志があるなら、きっと彼は再び挑戦するだろう。」
スペンスはクロフォード戦の後、長年コンビを組んできたデリック・ジェームズと袂を分かった。両者はヨルデニス・ウガス、ダニー・ガルシア、ショーン・ポーター、マイキー・ガルシア、ラモント・ピーターソン、ケル・ブルックらに対する勝利を共に味わってきたが、2024年4月には互いに訴訟を起こす関係にまで悪化した。
昨年、スペンスはセバスチャン・フンドラとの対戦の最有力候補と見られており、“ザ・タワリング・インフェルノ”ことフンドラがティム・ツィューとの激戦を制した直後には、両者がリング上で向かい合う場面まであった。しかしこの一戦は最終的に実現しなかった。
35歳のスペンスは、近年数々の苦難を乗り越えてきた。2019年には生死をさまよう交通事故に遭い、その2年後には網膜剥離により
マニー・パッキャオ戦が中止となった。さらにスペンス自身、過度な飲酒に溺れていたことも認めている。
週末、
オルティス対ルビン戦でシェイディ・ガムホールのセコンドを務めていたロイ・ジョーンズは、観客たちの間で「スペンスの再起をもう一度見たい」という声が依然として強いことに気づいた。
「彼が受けた愛情はすべて正当なものだ。なぜなら彼は本当に“ダラスのボクシング”を再び地図に載せた男だからだ」とジョーンズは語った。
「多くの人がエロール・スペンスを愛しているのは、彼が飾らない人間だからだ。あれだけの声援を受けて会場に姿を見せた彼にとって、それは自分が築き上げてきたものを誇りに思える瞬間だったはずだ……彼はファンの声援を受けて笑顔を見せ、輝いていた。まさに自分のフィールドに戻ったようだった。それはつまり、彼の中にまだ闘志が残っていて、再びその舞台に立ちたいという気持ちがあるということだ。そしてヴァージル・オルティスもそれを分かっている。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任ライター。Xとインスタグラムでは @ManoukAkopyan をフォローできる。