すべての試合に勝ってきたわけではないが、エリクソン・ルビンは自分が一流のファイターであると自信を持っている。
29歳のルビンは、そのことを大げさに語ったりはしない。信じられないなら、自分の戦績を見てみろ、と言う。彼は元統一王者ジェイソン・ロサリオに勝利し、将来有望とされたヘスス・ラモス・ジュニアも破っている。セバスチャン・フンドラに敗れた試合も接戦だった。しかし、ジャーメル・チャーロとの一戦で第1ラウンドKO負けを喫したことは、キャリアにおける大きな汚点として残っている。
これまで順風満帆というわけではなかったが、5月10日にはアードリアル・ホームズ・ジュニアを相手に余裕の勝利を収めると確信している。
「お前をメチャクチャにしてやるよ」と、ルビンはバーチャル記者会見で語った。
どうやらルビンはスタンダップ・コメディのネタも仕込んでいるらしい。というのも、ホームズに向けたルビンの派手な挑発を受けて、ホームズは終始笑いをこらえきれずにいた。
自信――それはアードリアル・ホームズがふんだんに持っているものだ。彼はこれまで無敗で、危ない場面すらほとんど経験していない。そして何より、大舞台でのチャンスを渇望してきた。
どれだけ隠そうとしても、その顔に刻まれた消えない笑みは隠しきれない。しかしその笑顔こそが、エリクソン・ルビンの神経を逆なでしている。あと数週間後、果たしてホームズはまだ同じようにニヤニヤしていられるのだろうかと、ルビンは疑っている。
「今は笑って、楽しそうにしていられるかもしれない。でも5月10日になれば、お前はブーツを震わせることになるぞ」と、ルビンは言い放った。
29歳のルビンにとって、勝つことだけでも十分な価値がある。だが今回、IBFがその先を提示してくれた。公式に、ルビン対ホームズの試合はIBF最終挑戦者決定戦として認定された。つまり、勝者はIBF世界王者であるバフラム・ムルタザリエフとの“タイトルマッチのディナー”が約束されているのだ。
感謝の気持ちはあるものの、ルビンの胸中には少なからず不満がある。2023年にヘスス・ラモスを破った時点で、自分はすでに世界タイトル戦線に加わって然るべきだったと考えている。だが実際には、その勝利が彼を表舞台から遠ざけてしまった。
今回の試合でリングに戻る頃には、実に約2年ぶりの復帰となる。その空白期間について、ルビンは「不当で、望んでもいないし、まったく納得もしていない」と感じている。長い間リングから遠ざけられたことに対する怒りは大きく、試合が近づくにつれ、その感情はさらに強まっている。
そして、その怒りの矛先が向かう相手が――アードリアル・ホームズだ。
「試合が終わる頃には、誰かがあんたを起こすことになるだろうよ!」と、ルビンは不気味に言い放った。