エリクソン・ルビンを倒すのは簡単ではない。しかし多くの人々の目には、
ヴァージル・オルティス・ジュニアには十分すぎる力が備わっていると映る。
両者は11月8日、テキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで拳を交える。紙の上では非常に楽しみな一戦だが、ルビンがこれまで幾度となく激闘を経験してきたことを考えれば、地元の利を得るオルティス相手には分が悪いと見る声が大勢を占める。
だが、ジャロン・エニスの父でありトレーナーでもあるデレク「ボジー」エニスは世間の見方に首をかしげる。ルビンは軽視されるべき存在ではないというのだ。
「みんなエリクソン・ルビンを見くびっているが、俺はそうは思わない。素晴らしい試合になるはずだ。ルビンがやるべきことをきっちりやれば、勝ちをもぎ取れる可能性は十分にある」とエニスはYSM Sports Mediaに語った。
29歳のルビンはこれまでにも大舞台を経験している。すべてを勝ち抜いてきたわけではないが、いくつかの重要な勝利を手にしてきた。2022年に
セバスチャン・フンドラにストップ負けを喫した後も立ち直り、以降の3試合をすべて勝利して再び歩みを進めている。
オルティスはルビンにとって3戦連続での無敗選手との対戦となる。ルビンは、アルドリアル・ホームズ
・ジュニアを倒したときのように、WBC暫定154ポンド王者も自らの手で止めたいと考えている。
ルビンは5月10日、フロリダ州キシミーのシルバー・スパーズ・アリーナでアマ時代からのライバルであるホームズを相手に11回TKO勝利を収めた。しかし、オルティスはまったく別物だ。
ここ2戦で、彼はランキング上位の
セルヒー・ボハチュクと
イスライル・マドリモフを立て続けに撃破している。
エニスは長年にわたりオルティス(23勝0敗、21KO)を注視してきた。荒々しく、タフで、パワフル、そして止まらない――そうした資質はルビンにとって厄介な要素となる。だからこそエニスは、ルビンに肉体的な強さに頼るのではなく、自身のスキルを生かすべきだと強調する。
「もし俺がルビンなら、オルティスと打ち合いの戦争にはいかない。賢く立ち回るべきだ。ルビンはいいボクサーなんだから、角度をつけて動き、正面に立ち続けないことだ」エニスはそう続けた。