フィラデルフィア — “グラディエーター”ことグイド・ヴィアネッロは、自身の存在意義を懸けて戦っていた。31歳のイタリア人ヘビー級は、土曜夜に行う30歳のカナダ人サウスポー、
アレクシス・バリエールとの重要な10回戦を前に、直近3試合で2敗を喫していた。
スロースタートながらも、
ヴィアネッロはプロキャリア最大の勝利を掴んだと言えるかもしれない。無敗だったバリエールを5回でストップし、ジャロン “ブーツ” エニス対ウィスマ・リマの前座カード、Xfinityモバイル・アリーナで行われた10回戦セミファイナルを制した。
レフェリーのリッキー・ゴンザレスが5回26秒で試合を止め、ヴィアネッロ(14勝3敗1分、12KO)に勝利を告げた。
「次は
アンソニー・ジョシュアと戦いたい」とヴィアネッロは力強く宣言した。「これはキャリア最大の勝利だ」。
ヴィアネッロは、2024年4月に
エフェ・アジャグバとの10回戦でスプリットデシジョンによる敗北を喫し、さらにその1年後には米国五輪代表
リチャード・トーレス・ジュニアに一方的な判定負けを喫しており、名誉挽回が必要な状況だった。
それは第4ラウンドに起きた。ヴィアネッロが激しい連打を浴びせ、バリエール(12勝1敗、10KO)をキャリア初のダウンに追い込んだのだ。それまではバリエールの方が優勢に試合を進めていた。
序盤の2ラウンド、バリエールは鋭い左ストレートを何度も突き刺し、ヴィアネッロは全く対応できないように見えた。しかし第4ラウンド、ヴィアネッロが反撃に転じ、ついにバリエールを倒した。
バリエールはなんとか第4ラウンドを生き延びたが、ドラマチックな結末が待っていた。第5ラウンド、ヴィアネッロが放った右ストレートで試合が終わったのだ――もっとも、そのパンチはカナダ人サウスポーをかすめただけのようにも見えた。
それでも、30歳のバリエールは直前にヴィアネッロの強烈な左を額に食らい、すでに足元がふらついていた。
体重247ポンド半のヴィアネッロは、「グラディエーター」のテーマ曲に乗って登場し、輝く銀色のスパルタン・ヘルメットをかぶった姿で、まさにヘビー級コンテンダーの風格を見せた。これまで格上相手には決め手を欠いていたイタリア人だが、体重で10ポンド軽いバリエールを止めたこの勝利が、その評価を変えるかもしれない。
Joseph Santoliquito は、スポーツ記者として殿堂入りを果たした受賞歴のあるライターで、1997年10月から『リング・マガジン/RingTV.com』で活動している。現在、全米ボクシング記者協会(BWAA)の会長も務めている。X(旧Twitter):@JSantoliquito