長い間、テレンス・クロフォードは「自分こそがこの時代の最強である」と証明したいと願ってきた。実際、4階級での世界王座獲得、うち2階級での4団体統一により、その主張は広く認められるようになった。今、彼が目指すのは“史上最高(G.O.A.T.)”の議論に名を連ねることだ。
154ポンドで再び4団体統一を狙うという選択肢も悪くはなかったが、ジュニアミドル級においてクロフォードが不利とされる相手は一人もおらず、結局は“当然のように”全タイトルを統一してその階級を支配することになるだろう。
それが「退屈」とまでは言わないが、37歳のクロフォードはより大きな挑戦を求めている。そして、それによって自身の評価が飛躍的に高まるような偉業を成し遂げたいと考えている。
カネロ・アルバレスに勝つことが、それに当たる。カネロがDAZN PPVでウィリアム・スクルを倒せば、クロフォードとの試合は今年9月に実現する予定だ。多くのファンや関係者が、クロフォードがその偉業を達成できるかどうかに注目している。ジャロン・エニスもその一人だ。
クロフォードにとって不利な条件が多いことは確かだが、エニスは彼に全くチャンスがないとは考えていない。ただし、試合に向けてある準備をすれば、クロフォードにとってより有利になるだろうと見ている。
「クロフォードは、160ポンドあたりでウォームアップ戦をしておくべきだと思う」とエニスはFight Hub TVに語った。「少し大きな相手と戦う感覚を体に覚えさせておいた方がいい。コンディションを保つ意味でも有効だと思う。」
クロフォード(41勝0敗、31KO)は、ここ数年、年に1試合しか戦っていないため、試合勘という点では懸念が残る。ただし、これまでそのブランクが彼のパフォーマンスに影響を及ぼした様子は見られない。だが、相手がカネロとなれば、話は別かもしれない。
遠くで鳴り響く重りの音――それは最近クロフォードが筋トレに励んでいる証拠だろう。
14ポンド(約6.3kg)の階級アップに向けて筋肉と体格を増やすことは確かに有利に働くが、エニスはそれだけでは足りないと考えている。相手が誰かを考えれば、そしてその相手がこれまでどれだけ強烈なパフォーマンスを見せてきたかを見れば、クロフォードにとって9月は苦しい夜になる可能性もある。
「やっぱりカネロ寄りで考えるしかないと思う」とエニスは続けた。「カネロは、より大きな相手を倒してきた。試合当日は、自分よりずっと大きな相手を痛めつけてきたんだ。」