ラスベガス — カイロン・デイビスにスプリット判定で敗れてから9か月後、エリジャ・ガルシアは今回は物議を醸す形でスコアカード上の勝利を手にした。
ガルシアは土曜日、マンダレイ・ベイ・リゾート&カジノのミケロブ・ウルトラ・アリーナで行われた接戦の10回戦で、ベテランのテレル・ガウシャにスプリット判定勝ちを収めた。この試合は、ガウシャが勝っていてもおかしくない内容だった。ジャッジのクリス・ミリオーレは、初回に右フックでガルシアをダウンさせたガウシャに95-94で採点した。
しかし、ジャッジのドン・トレラ(95-94)とザカリー・ヤング(96-93)は、ガルシアに軍配を上げた。ガルシアは21歳のサウスポーで、第1ラウンド以降、9ラウンド以上にわたって鼻血を流しながら戦った。彼は37歳のガウシャのボディを執拗に攻め続けたが、ディフェンスに難のあるガルシアは、試合を通してガウシャの強烈な右を顔面に繰り返しもらっていた。
ガルシア(17勝1敗、13KO)は、昨年6月15日にMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたジャーボンタ・デイビス対フランク・マーティン戦のアンダーカードで、カイロン・デイビスに僅差で敗れて以来、今回が再起戦だった。
デイビス(19勝3敗1分、6KO)への意外な敗戦を受けて、ガルシアはトレーナー陣を変更。祖父ジョージ・ガルシア・シニアと父ジョージ・ジュニアのコンビから、ボブ・サントスに指導を委ねた。ガルシアはその後9か月間ラスベガスに移住し、「世界のボクシングの首都」である同地で、フェニックスでは得られなかった質の高いスパーリングを積むことができた。現在、彼はアリゾナ州ウィットマンの農場で、妻と2人の子どもと暮らしている。
一方、ガウシャ(24勝5敗1分、12KO)は、クリーブランド出身の2012年ロンドン五輪代表であり、テクニカルで経験豊富なベテランだが、直近8試合で3勝4敗1分と苦戦気味。今回のガルシア戦のほかにも、WBC世界ミドル級王者カルロス・アダメス、元WBO世界ジュニアミドル級王者ティム・チュー、長年154ポンド級で上位にいたエリクソン・ルビンといった強豪に敗れている。
積極的な姿勢を見せたガウシャは、判定で勝利するには最後を強く締めくくる必要があることをよく理解していたようで、第10ラウンド前半からコンビネーションで積極的に手を出していった。ガウシャは右をヒットさせたが、ガルシアは彼をロープ際まで下がらせ、強烈な右のパンチを叩き込んだ。
さらにガルシアは、試合終了約40秒前にガウシャのボディに強烈な左を2発打ち込んだ。
第9ラウンドの最初の2分間では、ガウシャがバックステップしながら右を的確に当てていった。ガルシアは残り約20秒でガウシャのボディに強い右フックを決めたが、それ以外はこのラウンドで有効打を多く残すことはできなかった。
第8ラウンド、ガルシアはガウシャのボディにコンビネーションを集中的に叩き込んだ。このラウンドでは左グローブを上手く使ってガウシャの右をガードする場面も見られたが、それでもガウシャは数発のパンチを巧みに差し込んで、ガルシアに油断させない動きを見せた。
第7ラウンドの中盤数秒前、ガウシャは左フックをガルシアにクリーンヒット。その後、ボディショットを受けたガウシャだったが、ラウンド終了間際には鋭いパンチをガルシアの顔面にまとめて浴びせた。
第6ラウンドを通して、ガルシアはガウシャの顔面への被弾と引き換えに、ボディへの攻撃を執拗に続けた。一方のガウシャも、ラウンド終盤にはバックステップしながらパワーショットを連打し、応戦した。
第5ラウンドの中盤では、ガウシャとガルシアが激しいパンチの応酬を展開した。ラウンド全体を通してガルシアはプレッシャーをかけ続けたが、ガウシャは頭を下げて突進してくるガルシアに対して、何度も強烈な右を打ち込んだ。
闘志を燃やすガルシアは、第4ラウンドでも引き続き効果的なボディ攻撃を見せた。しかし、防御面の課題が残っており、その隙を突いたガウシャはクリーンな右を何発もヒットさせ、互角の攻防が繰り広げられた3分間となった。
第3ラウンドも、ガルシアはガウシャのボディを執拗に攻め続けた。だがガウシャも、初回にダウンを奪ったのと同じく、強い右を顔面に返して応戦し、ガルシアにプレッシャーを与え続けた。
積極的なガルシアは、すでに鼻から出血していたものの、第2ラウンド開始と同時にガウシャへ猛攻を仕掛けた。彼はガウシャの頭部に右アッパーを決め、さらに右と左のボディショットも効果的にヒットさせ、有利と見られていた若きガルシアにとって強い内容のラウンドとなった。
第1ラウンドでは、残り1分22秒まで両者とも大きな動きはなかったが、その瞬間、ガウシャの右ストレートが炸裂し、ガルシアは背中からマットに倒れ込んだ。ガルシアは即座にバク転するような動きで立ち上がり、ホイル主審がカウントを始めるとすぐに態勢を整えた。
ガルシアは明らかにダメージというよりも、不意を突かれたことに驚いた様子だった。このダウンで彼の闘志に火がつき、その後はガウシャの頭部とボディに対して強烈なパンチを繰り出し始めた。一方のガウシャはダウンを奪った直後とあって、慎重な姿勢を見せていた。
Keith Idec 『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。