エリフ・ヌル・トゥルハンは、女子世界タイトル戦の歴史に残るほどの爆発的なパフォーマンスを披露し、モナコにおいて新たなIBFライト級王者となったのである。
トゥルハンは、モンテカルロ海岸に位置するサル・デ・ゼトワールでブラジルの名手
ベアトリス・フェレイラと対戦し、大方の予想を覆す大アンダードッグであった。しかし試合開始直後から、勝者が誰かは明らかであったと言ってよい。
今夜まで無敗であったフェレイラ(9勝1敗、2KO)──二度の五輪メダリストでもある──は、トルコ・イスタンブール出身の挑戦者が誇る破壊的なパワーに全く対応できなかったのである。
トゥルハン(12勝0敗、8KO)は、初回に一度ダウンを奪ったものの、これはレフェリーによってスリップと判定され取り消された。しかしその直後、彼女は正真正銘のダウンを奪い返した。フェレイラは立ち上がったものの、迎えた第5ラウンド1分8秒、立ったままの状態でストップされた。
30歳の新王者トゥルハンは語る。
「この瞬間のために本当に必死に練習してきた。ジムでも戦い、ここでも戦った。
3年間、この試合のためだけに努力してきた。この瞬間のために全てを捧げた。あまりに厳しい練習で泣くほどだったけれど、それはこの結果のためだった。」
トゥルハンは明確な狙い──破壊的な右ストレートを当てること──を持って試合に臨んだ。彼女はモンテカルロ入りするまでに3連続KO勝利中であり、女子ボクシングのトップレベルでは珍しい戦績であった。
そして、その狙いを実行するのに時間はかからなかった。初回終了30秒前、彼女はフェレイラを最初のダウンに沈めたのである。レフェリーのダイアナ・ドレウス・ミラーニはこれをスリップと判定したが、トゥルハンは抗議しなかった。代わりに再開を待ち、歩み寄り、同じ右ストレートで再びフェレイラを倒したのである。
フェレイラはゴングまで耐えたものの、動揺は明らかであった。トゥルハンは2ラウンド開始と同時に再び攻撃を仕掛けた。ブラジル人王者は、トゥルハンの風車のように振り抜かれる右ストレートを全く読めず、次々に被弾した。そしてラウンド終盤には、その右に続けて鋭い左フックまで放ち始めたのである。
3ラウンドも同様の展開であったが、フェレイラは次第にトゥルハンの型破りで強打のスタイルを読み、被害を最小限に抑えようとし始めた。しかし、序盤で大きな成功を収めたトゥルハンは、右ストレートを振るい続けることをためらわなかった。
迎えた第5ラウンド。2分が経過しようというところで、試合は再び激しく動き出し、主導権は完全にトゥルハンの手中にあった。彼女はフェレイラをコーナーへ追い詰め、強烈なフックを次々と叩き込んだのである。
ブラジルの王者はその猛攻を浴び、立っているのがやっとの状態で、3発のクリーンヒットを受けた。レフェリーはカウントを与えたものの、ロープにもたれるフェレイラを見て、試合を止める以外の選択肢はなかった。
「女子ボクシングで自分が最もハードパンチャーだと思うか?」との問いに対し、新王者は次のように答えた。
「世界タイトルを獲ったばかりだから、これからはベストと戦いたい。今のところはそうかもしれない。でも、今後もっと強い相手が出てくるから、その都度証明していく。」