ジャロン・エニスにレッドカーペットが敷かれる一方で、エイマンタス・スタニオニスはスポットライトから押し出され、裏口から入ることを強いられている。
これがボクシングの世界であり、スタニオニスはそれを理解している。エニス(33勝0敗、29KO)は主役であり、ショーの目玉であり、多くの観客が見に来る存在である。しかしスタニオニスは、その状況にも動じない。彼は、4月12日にDAZNで配信される二人の対決において、エニスがプロモーションの中心となっていることにまったく気にしていない。今回の試合では、WBA、IBF、そしてリング誌の世界タイトルがかけられる。
エニスにとって、この統一戦は非常に重要である。彼の未来は明るく、目標も高く、そして実現可能なものである。しかしスタニオニスは、そのフィラデルフィアのスターに現実を思い出させるのが待ちきれない。
「やつをスーパースターと呼んでいるが、俺がその道をふさぐ存在だ」とスタニオニスはマッチルーム・ボクシングに語った。「全部の計画をぶち壊したいんだ。」
エニスは現在の地位に到達するまでに、懸命に努力してきた。長年にわたり、トップクラスのウェルター級選手たちは彼との対戦に関心を示してこなかった。彼が誇らしげに肩にかけているIBFタイトルでさえ、与えられたものであり、本人としては本意ではなかった。
しかし、なぜ多くの選手たちが彼の名前が出た瞬間に冷ややかな反応を見せたのかには、理由がある。デビッド・アバネシャンに何をしたかを見ただろうか?ロイマン・ビジャをハイライト映像に残るノックアウトで沈めた場面はどうだ?
あのような瞬間は瞬く間に拡散されたが、同時に彼が本当に望んでいたもの――「本物の試合」からも遠ざけてしまった。だが、ついにその時が来る。スタニオニスとの対戦である。ブックメーカーの予想では、彼にあまり勝算は与えられていない。だが、怒りや威圧だけでは何も変わらない。
エニスは間違いなく一流の選手であり、スタニオニスもそれを認めている。だが、誰もが信じるような無敵の怪物ではないと彼は見ている。
「たしかにすごい選手だ。でも俺たちはみんな足が二本、手が二本ある。同じ人間で、誰もが無敵じゃない。俺は戦うためにリングに上がる。」