バージニア州ノーフォーク発――サンプソン・ルコウィッツは、ビル・ヘイニーが下した決断を繰り返すつもりはなかった。

ルコウィッツは、元WBOライト級王者キーショーン・デービスがリミットを4.3ポンド超過したことに対し、多額の罰金を受け取る選択もできた。しかし、エドウィン・デ・ロス・サントスのプロモーターである彼は、金よりも安全を優先し、デービスの地元スコープ・アリーナで土曜夜に予定されていたESPN中継の12回戦メインイベントへの出場を拒否した。

ルコウィッツは、2024年4月にブルックリンのバークレイズ・センターで行われたデビン・ヘイニー対ライアン・ガルシアの140ポンド王座戦を思い返していた。その試合でガルシアは契約体重を3.2ポンドオーバーし、143.2ポンドでニューヨーク州アスレチック・コミッションの計量台に立った。

ヘイニーは、1ポンドあたり50万ドル、合計150万ドルのペナルティをガルシアが支払ったと明かした。しかしガルシアは追加の減量をせずに試合を行い、翌日の好パフォーマンスにつながった可能性がある。

試合ではガルシアがヘイニーから3度ダウンを奪い、マジョリティ判定で勝利。その後、ガルシアが禁止薬物オスタリンの陽性反応を示したため、この試合結果はノーコンテストへと変更されたが、ルコウィッツは「すでにダメージは与えられていた」と語った。

ルコウィッツは、デービスの4.3ポンド超過を「プロとして失格」「正気とは思えない」と批判。それでも当初は交渉のテーブルには着いたが、最終的に体重差が大きく開いた状態での試合は危険すぎると判断した。

「（デービスが）踊ってるのを見たんだ」とルコウィッツはザ・リングに語った。「30年この世界にいるが、ボクシングもボクサーも分かってる。彼は135ポンドで戦うための準備をしていなかった。140ポンドで戦うつもりだったんだ。金で健康は買えない。俺は選手の健康に責任を持ってる。だから戦わせるわけにはいかなかった。」

「たとえ来週に彼（デ・ロス・サントス）が契約解除を申し出てきたとしても、俺は135ポンドで戦う準備をしていない相手と、危険な試合をさせる気はなかった。ヘイニーと父親がガルシアと戦ったあのときのことが頭をよぎった。彼らは金を取った。そして結果がどうなったかは、見ての通りだ。」

デービス（13勝0敗、9KO、1ノーコンテスト）は、体重超過後もデ・ロス・サントス（16勝2敗、14KO）が試合を受けると思っていた。18か月ぶりの試合であったデ・ロス・サントスは、試合をしなければファイトマネー全額を受け取れる保証もなかった。

「たぶん彼は試合を受けると思ってた」とデービスは、トップランクのクリスティーナ・ポンチャーとのインタビューで語った。「だって、ショーは続けなきゃいけないだろ？」

実際、デービスの前戦でも同じような状況があった。2023年11月8日、スコープ・アリーナで行われた試合で、相手のグスタボ・レモスは6.4ポンドの体重オーバー。それでもデービスは2日目の計量制限を課し、試合を実施して2ラウンドでストップしている。

「まあ、俺は4ポンドオーバーだったけどさ」とデービスは語った。「あいつなんか7ポンドくらい超えてたじゃん。ほぼ10ポンド差だろ？だから、俺はまだ次の階級に達してないってこと。分かるだろ？今回もショーは続けるつもりだった。でも、あとは処理を済ませるだけってことさ。」

26歳のデービスは、翌日の計量で149.5ポンドを超えないことに同意していたが、それより前にルコウィッツがデ・ロス・サントスの出場を取り下げた。罰金の具体的金額には合意していなかったが、デービスはファイトを成立させるために自身の報酬から多額の支払いが必要だと理解していた。

信義の証として、デービスのプロモーターであるボブ・アラム率いるトップランク社は、試合中止にもかかわらず、デ・ロス・サントスに約40万ドルとされるファイトマネー全額を支払う意向を示している。たとえ彼が一部しか受け取れなかったとしても、ルコウィッツは判断に後悔はなかったはずだ。

「金で健康は買えない」とルコウィッツは改めて語った。「だからこそ、自分の選手の意志に反してでも、この決断を下した。そしてこれは、他のプロモーターやマネージャーにも伝えたいことだ。選手を危険から守るのが彼らの責任なんだ。」

トップランクがプロモートする無敗ライト級のアブドゥッラー・メイソン（18勝0敗、16KO）が、土曜夜のメインイベントにデービスの代役として出場する。21歳のサウスポーは、ナミビアのベテラン、ジェレミア・ナカティラ（26勝4敗、21KO）と10回戦で対戦。試合はESPNで生中継される。

また、キーショーンの兄ケルビン・デービス（15勝0敗、8KO）は、ニュージャージー州シックルビル出身のナヒール・オルブライト（16勝2敗、7KO、1ノーコンテスト）と、10回戦のセミファイナルで対戦する。ESPNによる2試合構成の放送は、米国東部時間で午後10時、英国時間では午前3時に開始予定となっている。

Keith Idec はザ・リングの上級記者兼コラムニスト。X（旧Twitter）：@idecboxing にて連絡可。