カネロ・アルバレスに敗れた直後のエドガー・ベルランガに、いきなりエリート級の相手との再戦を求める声は少なかった。しかし、もっと知名度があり、それにふさわしい相手と戦うべきだったというのが大方の見方だった。
復帰前、ベルランガ(23勝1敗18KO)はカルロ・プラントやジャーマル・チャーロといったトップ選手たちを名指しで挑発してきた。名前を挙げればキリがないほど多くの強豪を呼び出したのだ。しかし実際に彼が選んだのは、ジョナサン・ゴンサレス=オルティスだった。
オルティスはキャリアの中で一度も王座戦線に絡んだことがなく、約10年間も服役していた過去を持つ。
インタビュー中、Cigar Talkのナジがその点に言及しようとすると、ベルランガは食い気味にこう切り返した。
「関係ねぇよ。誰と戦ってきたか見てみろ。アイツの戦績を見ろよ。」
確かに、オルティスはベルランガと戦うまでは無敗だったが、その対戦履歴はベルランガが主張するほど華やかなものではなかった。さらに、計量時にリングに現れたオルティスの姿に、多くのファンが唖然とし、怒りすら覚えた**のだった。
オルティスはもともと筋肉隆々でも、肩幅が広いわけでも、シックスパックを誇る体でもなかったが、試合当日の彼のコンディションと体形は明らかに“悲惨”と言える状態だった。動きの鈍さや体つきの緩さはそのままパフォーマンスにも表れ、35歳になったオルティスはほとんど抵抗らしい抵抗もできないまま、初回ストップでベルランガに敗れた。
この試合をめぐり、「脇腹の贅肉のせいで批判されること」にベルランガは苛立ちを見せている。彼はそれでも自分の勝利には正当な評価が与えられるべきだと主張しているのだ。
「批判する奴らが俺の実力を認めたくないってんなら、せめて一度はあの“肉体美”とは程遠かったけど実績ある元王者のことを思い出してみろ」とベルランガは訴える。
「みんなあいつの体のことばっか言ってるよな」とベルランガは続けた。
「もし俺が体重250ポンドのボディビルダーみたいなやつをストップしてたら、お前らは称賛してたのか? タイソン・フューリーを見てみろよ。あいつは“ラブハンドル”(腰回りの贅肉)持ってるけど、史上最高のヘビー級王者の一人って評価されてるだろ。結局、やつらは俺を貶める材料を何でもいいから探してるだけなんだよ。」