すべてが予定通りに進むはずだった。
2024年4月20日、デビン・ヘイニーはWBC世界ジュニアウェルター級王座の“いつもの”防衛戦をこなすはずだった。だが、ライアン・ガルシアは違う展開を用意していた。派手で気まぐれな挑戦者はブルックリンのバークレイズ・センターに現れ、ヘイニーを3度倒し、判定勝ちを収めた。
もっとも、その勝利は試合後のドーピング検査でガルシアが陽性反応を示したことで物議を醸すことに。記録上、ヘイニーの敗北は取り消されたものの、リングで何度もキャンバスから立ち上がる彼の姿は、消し去ることのできない記憶として残った。
5月2日、26歳のヘイニーは144ポンド契約体重でのホセ・ラミレス戦で再起をかける。この試合で勝利し、同じ興行でガルシアがロランド“ロリー”ロメロに勝てば、両者の再戦が実現する予定だ。
かつては、大口を叩きながらもどんな相手とも戦う姿勢を見せていたヘイニー。だが、あの敗北以来、ファンの間ではその姿勢に変化があったのではないかという声も上がっている。
今後は慎重なマッチメイクを選ぶのか?
一部の危険な相手を避けるのか?
かつてのような闘志を保っているのか?
自信を失ってしまったのか?
そうした疑問の声があることは理解しつつも、ヘイニーはその一部に苛立ちを感じているようだ。135ポンドで4団体統一を成し遂げ、140ポンドでも王座を手にしたヘイニーは、ファンや懐疑的な目を向ける人々に向けて、自分は変わっていないと強調する。
「俺の中にはまだ飢えがある」とヘイニーは『Cigar Talk』でナジに語った。「今でも自分を証明したいと思ってるし、自分が最強であることを証明したいんだ」