デビン・ヘイニーが長年演じてきた「ミスター・ナイスガイ」の仮面は、もはや完全に脱ぎ捨てられた。彼は5月2日、ニューヨークのタイムズスクエアで開催されるザ・リング誌主催、DAZN中継のホセ・ラミレス戦に向けて、堂々とヒールの新キャラクターを打ち出している。
かつてフロイド・メイウェザーJr.が「プリティ・ボーイ」から「マネー」へと鮮烈な転身を遂げたように、元2階級制覇王者のヘイニーもまた、ライアン・ガルシアとの物議を醸した試合を経て、自らのキャリアを再構築するため同じ道を選ぼうとしている。
「フロイドがビッグスターになったのは、悪役になってからだった」とヘイニーはザ・リング誌の取材に対し、カメラ映えする笑顔を見せながら語った。「俺もそれと同じ道を選ぶ。このキャラクターに転向した今こそ、俺が真のビッグスターになる時だ。人々は俺が負ける姿を見たがっているし、そのために金を払ってくれる。だから俺は嬉しいんだ」。
「俺はずっと悪役だったけど、良い奴も演じていた。でも、本当はずっとヒールになりたかったんだよ。悪役でいる方が楽だし、何より金になるからな。悪役でいることに抵抗はない。俺は密かに悪者だったが、善人の仮面をつけていた。これからは堂々と本来の自分をさらけ出せる」。
ヘイニーはまた、昨年のガルシア戦で見せた不安定な試合運びを払拭するため、ラミレス戦ではリング上で違った一面を見せる必要がある。ガルシア戦では左フックを防ぐことができず、3度のダウンを喫した末、マジョリティ・デシジョンでの敗北となった。しかし、試合後にガルシアが禁止薬物オスタリンに陽性反応を示したため、ガルシアには罰金と出場停止処分が下され、試合結果もノーコンテストに変更された。さらにヘイニーはガルシアに対して暴行、契約違反、詐欺の疑いで訴訟を起こしたことで、ファンからの反感をさらに買うことになった。
だがヘイニー本人はアンチたちの批判を全く気にしていない。
「人生は順調だよ」と彼は話す。「ボクシングから少し離れ、身体を休ませる時間が取れた。俺にはその休養が必要だった。ただリングから離れていても、技術を磨く努力は怠らなかったけどな。次に休むのはキャリアを終える時だろう。今は家族と過ごしたり、生まれたばかりの子どもと触れ合ったり、自分で稼いだ金を使ったりできて、とても充実している」。
ヘイニー(30勝0敗、15KO)が元統一スーパーライト級王者ラミレス(29勝2敗、18KO)を下し、ガルシア(24勝1敗、20KO)がロランド・ロメロ(16勝2敗、13KO)を倒せば、今年後半にリマッチが実現する可能性は高い。
「今、一番大事なのはホセ・ラミレス戦だ。その後でライアンのことを考える」とヘイニーは語った。「ラミレスに勝たなければ、ライアン戦に進めない。だから、確実にラミレスを倒す」。
「俺はプレッシャーなんて感じない。これは俺の仕事であり、子供の頃から続けてきた大好きなことだ。リングに上がり、いつもの俺を見せるだけだ」。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。