2018年当時、
アンソニー・ジョシュアと
デオンテイ・ワイルダーはともに無敗を誇り、ヘビー級の全タイトルを分け合いながら、統一王者決定戦に向けて邁進していた。
2018年12月、ワイルダーがタイソン・フューリーと引き分けた後、次にジョシュアとの対戦に進む予定だった。2019年3月には、DAZNがジョシュアとの2戦を含む3試合契約で1億ドルを提示したが、ワイルダーは「誠実さに欠ける」としてこのオファーを拒否した。
ジョシュアは
アンディ・ルイス・ジュニアとの対戦に進み、衝撃のストップ負けを喫した。それ以来、なかなか本来の調子を取り戻せず、過去6年間の戦績は6勝4敗となっている。一方のワイルダーは、その後フューリーと2度再戦し、いずれもKO負け。彼もこの6年間で1勝4敗と苦しい時期を過ごしている。
そして今、10月22日に40歳を迎えるワイルダーと、その7日前に36歳となるジョシュアは、長年の間に幾度となく立ち消えになってきたライバル関係を、再び実現させようとしている。
ワイルダー(43勝4敗1分、42KO)は、今週金曜にカンザス州ウィチタのチャールズ・コック・アリーナでタイレル・ハーノン(24勝5敗、15KO)と対戦してリング復帰を果たす。この試合は「グローバル・コンバット・コレクティブ」のPPVイベントとして、
BLK Prime、Fubo、PPV.comなどで24.95ドルで配信される。
一方のジョシュア(28勝4敗、25KO)は、肘の手術からの回復中で、今年後半にリング復帰を予定している。9月にダニエル・デュボアに5ラウンドTKOで敗れて以来の試合となる見込みで、彼も再起戦を必要としている。
「もしジョシュア戦が実現して、すべてがうまく整うなら、やらない理由はない」とワイルダーは
ザ・リングに語った。「その時が来れば、その時に向き合うさ。やつはまだ現役だし、俺もそうだ。俺は全員と戦いたい。特定の誰かを狙ってるわけじゃない。ファンが見たいと思う最高の試合が実現するなら、そこに俺はいるよ。」
「でも俺は、プラカードを掲げて試合を懇願するようなことはしない。そんなことは絶対にしない。俺はこれまで誰かを追い回したことなんて一度もない。相手が俺と戦いたくないなら、それはそれで仕方がない……。俺は常に、キャリアの中で最もビッグな試合を望んできただけだ。」
ワイルダーとジョシュアは昨年対戦する予定だったが、ワイルダーがセミファイナルでジョセフ・パーカーを破れず、実現には至らなかった。一方ジョシュアは、2023年12月にサウジアラビアで行われた試合でオットー・ワリンにストップ勝ちを収めている。
パーカー戦での判定負けはワイルダーにとって大きな後退となり、その後は
チャン・ツィレイとの意味ある勝利を求めたが、結果はさらに悪く、2024年6月の試合で5ラウンドTKO負けを喫した。
かつてワイルダーが“軽量級の破壊者”としてヘビー級を席巻していたのは、もはや遥か昔のことのように感じられる。2015年にバーメイン・スティバーンを下してWBC王座を獲得してからは、タイソン・フューリーと対戦するまでに10度の防衛を果たしていた。
「俺はただ、可能な限りビッグな試合をやりたいだけなんだ」とワイルダーは語った。「相手が誰かなんて気にしてない。過去の連中にこだわってるわけじゃない。あいつらは、負けたくないという執着に縛られて、自分の命を救うためでも俺との試合を選ばなかった。俺はただ、統一王者になりたかっただけだ。でも、多くの人間は、俺があまりに危険すぎる存在だから、俺を対戦計画に入れてこなかった。それでいいさ。だからこそ、俺はいまも自分の道を追い求め、さらに大きなことを成し遂げようとしてるんだ。今回は、もっと強烈になるぜ。」
Manouk Akopyan は『ザ・リング』誌の主任記者。XとInstagramでは @ManoukAkopyan をフォロー。