次戦でクリス・ユーバンク・ジュニアが容赦ない攻撃性を見せると期待しているボクシングファンにとって、その予想は大きく裏切られるだろう。そう語るのは、コナー・ベンの主要スパーリングパートナーの一人、デンゼル・ベントリーである。
ユーバンク・ジュニア(34勝3敗、25KO)とベン(23勝無敗、14KO)は、4月26日にトッテナム・ホットスパースタジアムにてミドル級の一戦で激突する予定である。この一戦は、彼らの父親同士がかつてミドル級およびスーパーミドル級の世界戦で激闘を繰り広げたあの伝説から30年以上を経ての、因縁の対決である。
これまでの経緯は、極めて険悪なものであった。侮辱、脅し、非難、さらには卵までが互いに投げつけられ、試合は『The Ring』がSNK Games、マッチルーム、ボクサーと共同でプロモートし、開催まで残すところ1か月を切っている。
ユーバンク・ジュニアはロンドン南部にあるチャーチルズ・ボクシングジムを拠点にキャンプを行っている。一方、ベンはスペインのマヨルカ島にて、より温暖な気候の中で調整を進めている。
今回160ポンドのミドル級で初めて戦うベンは、これまでも大柄な選手とスパーリングしてきたとされ、長年にわたり同じジムに所属するライトヘビー級のクレイグ・リチャーズとも頻繁に手合わせしてきた。
今回のキャンプでは、現イギリスおよびヨーロッパミドル級王者のベントリー(21勝3敗1分、17KO)が招かれ、ユーバンク・ジュニアの持つフィジカルや体格を模倣する役割を担った。
ベントリーはベン、そしてそのトレーナーであるトニー・シムズとともに、2週間バレアレス諸島で過ごした。
ユーバンク・ジュニアの体格の大きさから、多くの専門家は彼が有利と見ており、ベンはこれまで世界レベルの試合経験がないことも、その評価を裏付けている。
しかし、ピーコックジム所属のベントリーは、ユーバンク・ジュニアが10年前のような爆発的なスタイルに戻ることはないと見ている。
ベントリーは『ザ・リング・マガジン』にこう語っている。「ユーバンクは、もう以前のようなファイターではない。今でもいい選手だが、かつてのような爆発力、攻撃性、獰猛さはない。
アヴニ・イルディリムを連打でKOした頃のユーバンク、ジョージ・グローブスとの試合で激しい戦いを見せた頃のユーバンクとは別人だ。あのグローブス戦では負けはしたが、本当に激しかった。グローブスの方が賢く、パンチ力も上で、体重も重かったからな。
あの時代のユーバンクの試合、例えば英国タイトル戦でのニック・ブラックウェル戦なんかも、彼が放ったパンチの数、そしてその勢いは凄まじかった。
だがここ3〜4戦、彼はそういったパフォーマンスを見せていない。
年齢を重ねる中で、あの頃の自分を再び引き出すのは難しいのだろう。だからこそ、彼はよりボクシング的に、クリーンに、ジャブを散らしながら時折ギアを上げるというスタイルを選んでいる。でも、それを持続することはもうないんだ。」
では、スパーリングでベントリーが見た、ユーバンク・ジュニアを苦しめる可能性があるベンの武器とは何か。それは「激しさ」だと彼は即答する。この28歳のファイターは、過去の多くの試合でもその激しさを存分に発揮してきた。
「彼は本当に激しいんだ」とベントリーは語る。「毎ラウンド、毎秒、全力で来る。常にプレッシャーをかけ続けてくるし、ボディへのパンチも多い。
彼のボディブローは本当に効果的だ。おそらく、それを狙ってくると思う。ユーバンクは体がやや長めだから、コナーにとってはボディを狙いやすい的になる。そこに強烈なショットを叩き込むだろう。
コナーは試合のペースを落とさず、ユーバンク・ジュニアを真っ向勝負に引きずり込む。それができる選手であることはユーバンク自身が証明しているが、コナーはその勝負を自分のペースで進めたいんだ。」