CO-OPライブアリーナ(マンチェスター)――デリシャス・オリーの圧倒的な存在感がリングに漂い、両者がセンターに立った瞬間、観客席からはどよめきが上がった。3勝7敗の対戦相手、ミロス・ヴェレティッチは序盤から防御に徹し、被害を最小限に抑えようとする構えを見せた。パリ五輪出場経験を持つオリーは鋭いジャブを放ちつつ、胸元へと危険なパンチを次々と繰り出した。
本試合は、ジョー・ジョイス対フィリップ・フルゴビッチ戦をメインとする、クイーンズベリー・プロモーションズのDAZNストリーミング配信デビューの目玉カードとして放送された。
ヴェレティッチは体重で約48ポンド重く、身長では4インチほど低いとされている。横の動きはほとんど見られず、27歳のオリーにとっては、的確に打ち込むにはもってこいの「静止標的」のように映った。リングサイドには、イギリス代表として名を馳せたフレーザー・クラークの姿もあり、関心を寄せて試合を見守っていた。試合が進むにつれて、オリーは頭部を狙う一方で、ボディブローも巧みに織り交ぜるなど、多彩な攻撃を展開した。
オーバーハンドの右ストレートがヴェレティッチを後退させた。彼は両手を高く上げて守りに徹したが、時折繰り出される速い攻撃の前に、この試合が4ラウンド制であることに安堵していたに違いない。
とはいえ、ヴェレティッチも巧みなカウンターを数発決め、第3ラウンドではオリーの攻撃をうまく封じ込める場面も見られた。第4ラウンドを前に、オリーのヘッドコーチであるグラント・スミスが感情を込めて何かを指示する様子が目立った。オリーはその期待に応えるかのように果敢に攻め立てたが、試合は最終ゴングを迎えた。
さらなる分析は後ほど掲載予定――。