デビッド・モレル・ジュニアは、イマム・ハタエフのスキルとアマチュア時代の実績を認めている。
ただ、キューバ出身のサウスポーは、プロ11戦目でこのレベルの相手に挑むには、無敗のロシア人コンテンダーはまだ準備が整っていないと感じている。モレル自身は、プロ12戦目でパウンド・フォー・パウンドのトップに数えられるデビッド・ベナビデスに挑んだが、自分はそのときの方がハタエフが今回自分と戦うよりもはるかに準備ができていたと確信している。
両者が対戦する「Ring III」は、7月12日にニューヨーク・クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われる。
「ハタエフは強いし、無敗なのは分かっている。だが今の俺とは戦っていない」とモレルは月曜朝に広報を通じて発表した声明で語った。「確かにアイツはいい選手だ。だが俺の方が上だ。俺は速いし、賢いし、この試合には拳にレンガを詰めて挑むつもりだ。アイツはすぐに思い知るだろう。俺はアイツの魂を奪いに来ているんだと」
30歳の
ハタエフは、プロ初戦から9連続でKOまたはTKO勝ちを収めた。
直近の試合ではアルゼンチンのベテラン、デュルバル・エリアス・パラシオ(15勝4敗、11KO)に10回判定勝ちしたが、これが初めてフルラウンドを戦い抜いた試合となった。3月22日に豪州シドニーのクドス・バンク・アリーナで行われたもので、ハタエフはそこでトレーニングも積んでいる。モレル(11勝1敗、9KO)は最近『ザ・リング・マガジン』の取材に対し、ハタエフ(10勝無敗、9KO)がパラシオ戦では見た目以上に苦戦していたと分析した。
さらにモレルは、自身が2月1日にラスベガスのT-Mobileアリーナでデビッド・ベナビデス(30勝無敗、24KO)に判定で敗れたことで、一部の懐疑的な声に軽視されているとも感じている。モレルはWBCライトヘビー級暫定王座をかけた試合で3-0の判定負けを喫したが、ベナビデスはモレルを11年30戦のキャリアの中で最もタフな相手だったと認めている。
モレルは
ベナビデスとのキャリア最大の試合で感情に流されて作戦を放棄し、戦術的ミスを犯したことを後悔している。しかしその経験を、今回テキサス州スタッフォードのロニー・シールズのジムでのトレーニングキャンプでしっかり生かしているという。
「今は完全にビーストモードだ。毎日が偉大さへの一歩だ。走る量も増やしているし、パンチも重くなっている。集中力も高めている。ベナビデスに負けたことで目が覚めた。今度は何かを壊しに行く」とモレルは意気込みを語った。
ブックメーカーのドラフトキングスによると、モレルはハタエフに対し5-1で有利とされている。ただ、それでもモレルは2018年のアマチュア引退以来初めての敗北を経験して以降、周囲の懐疑的な声に奮い立たされている。
「みんな俺のことを終わった選手だと思ってるらしいな。でも試合を見れば分かる。俺はまだここにいるし、まだ怖い存在だ。この試合は俺にとって個人的なものだし、その覚悟で臨む」と語った。
モレル対ハタエフの10回戦(ライトヘビー級175ポンド)は、米国ではDAZNのペイパービュー(59.99ドル、午後6時東部標準時)、英国では24.99ポンド(午後11時英国時間)で配信される。
DAZNはモレル対ハタエフ戦の後にも3試合を配信する予定で、これはモレルがベナビデス戦でプレミア・ボクシング・チャンピオンズのPPV興行でメインを務めてから5か月ぶりの登場となる。今回カードの位置づけが変わったことについても、元WBAセカンダリー王者のモレルは自覚している。
「ここで勝てば?すべてが変わる。俺の名前がまた地図に載る。トップの連中はもう一度俺を無視できなくなる。俺がリングを支配する」とモレルは強調した。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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