デイビッド・アデレイは、フィリップ・フルゴビッチに大差判定で敗れ、直近4試合で2敗という状況になったものの、「自分を見つめ直す必要はなかった」と強調する。

ロンドン出身のアデレイは、8月16日にマンチェスターのコープ・ライブ・アリーナでフルゴビッチと対戦するため、英国ヘビー級王座を返上するという決断を下した。しかし10ラウンドの戦いは思い描いた通りにはいかなかった。

アデレイを8回に大きくダウンさせたフルゴビッチに対し、ジャッジ2人は99-90と採点し、もう1人も98-91とした。第2ラウンドにフルゴビッチが深いカットを負ったこともあり、アデレイは8回の荒れたラウンドを除けば、全体的にフルゴビッチに自分のボクシングを押し付けるのに苦戦した。

2023年10月にファビオ・ワードリーに7回TKOで敗れて以来、今回のフルゴビッチ戦での敗北は、アデレイの世界タイトルへの野望にとって大きな痛手となった。しかし29歳の“ビッグD”は、この状況を冷静に受け止めている。

彼はこう語る。

「自分探しなんて必要ない。自分がどんな人間か分かっている。思い通りにいかなくてすごく悔しかったけれど、物事には見方がある。馬から落ちたら、もう一度乗って走り続けるだけだ。

世界ではもっと酷いことが起きている。愛する人を亡くす人もいれば、不治の病を抱えている人もいる。次の食事がいつかわからない人もいる。

自分がどんな人間か、リングで何ができて何ができないかは分かっている。本来なら勝たなければいけない相手だったし、この悔しい時間が将来に向けてプラスになる。

負けたからといって世界の終わりじゃない。大事なのは、これからどう前に進むかだ。」

次のステップは12月19日。アデレイ（14勝2敗、13KO）は両親の母国であるナイジェリアで行われるクイーンズベリー初の西アフリカ興行の一員として登場する。

アデレイと、同じクイーンズベリー勢であるローレンス・オコリーも同じイベントで出場する（互いに対戦するわけではない）。両者は準備のためドバイで一緒にトレーニングしている。

「キャンプは分けて行った」とアデレイはドバイの拠点から話す。「一部はイギリスでやって、今はドバイ。コーチのアダム（ブース）は最後の数週間のためにこちらに飛んでくる。」

元クルーザー級世界王者で、現在はヘビー級に転向したオコリーとアデレイのスパーリング映像もSNSに投稿されている。ともに将来的にヘビー級世界タイトル挑戦を狙っている二人は、いずれ対戦する可能性があるのだろうか。

「まずは12月19日に集中しないといけない相手がいる」と彼は答える。「今はその相手に集中する。ローレンスが俺の対戦相手になることは当分ないから気にしない。俺には俺の道があり、彼には彼の道がある。

ローレンスとは何年も前から知り合いで、昔スパーもした。彼がクルーザー級の頃、お互い違う階級で頑張っていた。彼はいいファイターだ。」