昨年12月、イギリス人同士の2人は、サウジアラビアで行われたオレクサンドル・ウシク対タイソン・フューリーのヘビー級統一戦の前座で対戦し、エンターテインメント性の高い物議を醸すドローに終わった。そして両者は、5月17日にロンドンのコッパーボックス・アリーナで再び拳を交える。
経験の浅いフィッシャー(13勝0敗11KO)は短期間で大きな成長を遂げており、一方でアレン(23勝7敗2分18KO)は全盛期を過ぎたという見方が広くある中で、この初戦は両者にとって対戦相手や舞台の規模という点で大きなステップアップとなった。
アレンは試合がフィッシャーにとって時期尚早だと繰り返し主張しながらも、控えめで友好的な態度を見せ、大舞台の雰囲気に気を取られるフィッシャーをあえて放置するような余裕ある姿勢を見せていた。
試合はアレンがスロースタートを切ったものの、徐々に流れをつかみ、第5ラウンドには左フックでフィッシャーからダウンを奪う。その後もラウンドが進むごとに主導権を握り続けた。鼓膜を損傷しながらもフィッシャーは崩れることなく、最後のゴングまで耐え抜いたが、リヤドを物議を醸すスプリット判定勝ちで後にする幸運に恵まれたように見えた。
再戦は必然であり、今回は“ホワイト・ライノ”ことアレンが異なる戦略を採用している。
アレンは、普段は攻撃的で強打を誇る“ロムフォード・ブル”ことフィッシャーが、いかに打ち合いに引き込まれないようにするかという構図を描いている。
アレンはマッチルームの「Cards on the Table」に出演した際、フィッシャーにこう語っている。
「正直言って、お前は俺にとってやりやすい相手だ。今回はもう少し早くお前を打ち合いに引き込めるって分かってる。
お前が俺と打ち合いに入った瞬間——俺の方がタフだとか強いとかじゃなくて——ただ俺の方が賢いんだよ。」
「お前はこの試合に簡単に勝てる可能性がある。最初の2ラウンドみたいに俺の頭を打ち抜くようなボクシングをすればな。けど、お前は我慢できないし、コッパーボックスでは絶対に我慢できないだろう。
前回以上に混沌とした展開になる。俺は3戦目を望んでるんだ。」
アレンは、フィッシャーが勝つための唯一の方法は再び消耗戦に巻き込まれないことだと強調した上で、その戦い方を実行するために必要なスキルと冷静さをフィッシャーが備えているとは思えない、と明言する。
生まれつき才能がありながらムラのあるアレンは、かつてナショナルアマチュア王者としてチームGBに招集されるほどの実力を持っていたが、フィッシャーはもともとラグビーのトレーニングを補う手段としてボクシングを始めたことで知られている。
サウジアラビアでアレンと過ごした10ラウンドの激闘は、フィッシャーにとって、それ以前の全ての試合以上にプロの現実を教えることになったはずだが、アレンは依然として、両者の経験とノウハウの差はフィッシャーには埋められないと考えている。
「ボクシングの話をすると、お前は素晴らしいアスリートだ」とアレンはフィッシャーに語る。「驚異的なアスリートだ。ラグビーもやってたし、速くて、強くて、パワーもある。アスリートとしては素晴らしい、ボクサーとしてはまあまあだな。」
「俺はいいアスリートで、すごくいいボクサーだ。これは悪口じゃない。お前はアマチュアで12戦、プロでは何戦だ? それで上手くなれるわけがない。無理なんだよ。別に貶してるわけじゃない。」