ロンドン、イングランド――
デイブ・アレンは、コッパー・ボックス・アリーナで開催された再戦において、
ジョニー・フィッシャーに対して最も苛烈な形でリベンジを果たし、年間最高KO候補となるフィニッシュを披露した。
両者は昨年12月、リヤドのキングダム・アリーナで10ラウンドの激闘を繰り広げ、フィッシャーがダウンから立ち上がって物議を醸すスプリット判定勝利を収めていた。
アレンは、多くの人々が自身に有利だったと主張するなかでも判定には一切文句を言わなかった。しかし、フィッシャーが即座に再戦に応じたことで、アレンにとって汚名返上のチャンスが訪れた。
しかし、147日後、自国の地に戻ったアレンは一切の油断を排した。序盤には得意のオーバーハンド・ライトを狙ってみたものの、フィッシャーが距離を取るボクシングを選択したため、大きな効果は得られなかった。
そして第5ラウンド、ドンカスター出身の33歳アレンは冷徹な形でチャンスをものにした。ラウンド残り30秒を切ったところでフィッシャーをダウンさせたのだ。それはちょうど、リヤドでの初戦でもフィッシャーが倒れたのと同じラウンドだったが、今回はアレンが逃がすことはなかった。
ラウンド終了のゴングが鳴る直前、アレンは切れ味鋭い左フックをヒットさせ、その直後に右アッパーカットを打ち込んだ。身長6フィート4インチ(約193cm)の“ロムフォード・ブル”ことフィッシャーは顔からマットに崩れ落ち、タオルが飛び込んだ。
アレンは試合後にこう語った。「ノックアウトするには体重を増やしたほうがいいと思って、あえて体重を増やしたんだ。そのリスクを取って、結果的にうまくいったよ。」
「最初の試合は本当に自分にとってプラスになった。ボディショットの威力を上げるために少し増量したんだ。リスクを取って、それでタイトルを手に入れた。」
「これで子どもたちに専用バスルームを作ってやれる、それが夢だったんだ。このレベルでは、俺は簡単にはいかない存在だよ。これは自分にとってすべてなんだ。何度も見限られてきたけど、俺は“世界一太っててタフな男”なんだから。」
無敗を誇っていたエセックス出身のフィッシャーは、試合開始と同時に高く構えたロングガードで前に出てきた。背の低いアレンを遠ざけようとする意図は明らかだった。アレンは距離を詰めることに急いでいる様子はなかったが、長年の得意パンチである大きな弧を描くオーバーハンドの右を、初回に3度放ってチャンスを狙った。
フィッシャーは第1ラウンドの終盤、右ストレートの打ちどころを見つけかけ、第2ラウンドには距離感が合い始めた。鋭いジャブが数発アレンのガードを貫き、強烈な右が一発入ると、会場の応援団から歓声が上がった。
それでもアレンは、得意の右を当てようとし続けた。「ドンカスターのデ・ラ・ホーヤ」を自称するアレンは、再戦に向けて前回より7ポンド重く体重を増やして臨んでおり、試合を早期決着に持ち込みたい狙いがあったと示唆していた。ただ、序盤から明らかだったのは、それは手数や攻めの継続ではなく、一発のタイミングに賭けるプランだった。
一方、フィッシャーは長いジャブを駆使して冷静にボクシングを組み立て、危険なパンチは時折出す程度だった。第3ラウンドの終盤には接近戦でショートアッパーを2発ヒットさせたものの、「ブレイク」の指示後に左フックを打ったことで、レフェリーのマーカス・マクドネルから注意を受けた。
第4ラウンド残り1分、アレンの右がわずかに当たりそうになったが、ラウンド全体としてはフィッシャーの出来が良く、頭部とボディに力強いジャブを打ち込み、最後は一直線の右ストレートで締めくくった。
しかし、それがフィッシャーにとっての最高潮だった。次の第5ラウンドで、彼は残酷な形でノックアウトされてしまう。アレンはラウンド開始から60秒後、右ストレートと左フックを決め、フィッシャーは明らかに後退した。
さらに右ストレートがフィッシャーの足を固まらせ、状況はますます悪化した。ラウンド残り23秒、右ストレートからの左フックでフィッシャーはダウン。しかし彼は、なんとかマクドネルのカウントを聞きながら立ち上がることに成功した。
ふらつきながらも試合続行が許されると、アレンはそのチャンスを完全にものにした。左フックで意識を飛ばし、右アッパーカットでフィッシャーを顔面からマットに沈めた。
試合後、プロモーターのエディ・ハーンは、両者の間にはリマッチ条項があることを明かした。これで対戦成績は1勝1敗となったが、再戦は「しばらく先の話になるだろう」と語った。かつてキャリアが終わったかのように思われていたアレンだが、いまやシェフィールドでのメインイベント登場が視野に入っている。