ニューヨーク・ブルックリン発――
ダニー・ガルシア(38勝4敗、22KO)は、エリスランディ・ララに9回TKOで敗れた痛いミドル級タイトル戦を、自身のキャリア最後の印象にしたくないと強く誓った。
「ブルックリンへの別れ」と題されたこの試合で、37歳のガルシアはダニエル・ゴンザレス(22勝5敗1分、7KO)を相手に、まるで遊ぶように圧倒。通算10度目となるブルックリンのバークレイズ・センター登場で、同地ではこれで8勝2敗とし、4回に強烈なKOで仕留めた。
フィラデルフィア出身のスターは、再び154ポンド級に戻りゴンザレスと対戦。試合開始のゴングが鳴ると同時にリング中央を陣取り、落ち着いて相手の動きを観察した。ゴンザレスは外を回りながら隙を探したが、ガルシアはほとんどそれを許さなかった。
一瞬の閃きのように、ガルシアの鋭い左が炸裂した――彼のキャリアを支えてきた得意の一撃だ。そのパンチで相手はぐらつき、ガルシアはそこから一気に勝負をかけ、ノックアウトを狙いにいった。しかし、その瞬間が訪れるのはもう少し後のことだった。
続く2ラウンドの間、ゴンサレスは慎重に立ち回った。距離を取り、ガルシアの強烈なオーバーハンドを必死に避けようとしたのだ。ある程度はそれが功を奏したが、それも第4ラウンドまでの話だった。
その瞬間、フィラデルフィアのスターは待ち望んでいた“必殺の一撃”を見つけた。地獄のようなカウンター左フック――ゴンサレスはまったく見えておらず、被弾した瞬間に崩れ落ちた。立ち上がろうと必死にもがいたが、レフェリーのハーヴィー・ドックは彼の様子を見て十分と判断し、開始45秒で試合を止めた。
試合後、これが最後の試合になるのかと問われたガルシアは、当初は明言を避けつつも「引退は85%だ」と語った。今後もし復帰するなら、リスクと報酬が釣り合う、より大きな舞台でなければ意味がないとも付け加えた。
対戦候補として名前が挙がったのは、WBOスーパーウェルター級王者
ザンダー・サイヤスやWBC暫定王者
バージル・オルティスらだったが、ガルシアはあくまで「様子を見たい」と慎重な姿勢を崩さなかった。
アンダーカードの主な結果

バンタム級:ドミニク・クラウダーがフェルナンド・ディアスに10ラウンド判定勝(100-90×2、98-92)
ヘビー級:ダミアン・クニーバが7ラウンドでジョーイ・ダウェイコをノックアウト
スーパーミドル級:ガブリエル・ロサドがヴォーン・アレクサンダーに8ラウンド判定勝(78-73、77-74、80-71)
ライト級:クリス・コルバートがブラス・エセキエル・カロに8ラウンド判定勝(78-73、77-74、80-71)
ウェルター級:レシュマト・マティがホセ・アングロに8ラウンド多数判定勝(76-76、77-75×2)
ジュニアウェルター級:マシュー・ゴンザレスがウィルフレド・フローレスに8ラウンド判定勝(76-75×2、77-74)
ジュニアミドル級:クリスティアン・カンジェロージがビクトリアーノ・アントニオ・サンティランに8ラウンド判定勝(79-73、77-75、78-74)