ニューヨーク発 — ダニエル・ジェイコブスも同じニューヨーク出身とあって、
エドガー・ベルランガを応援していたのは不思議ではない。
今週末、クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで『ザ・リング』主催の興行が開催され、ジェイコブスは観客の中でも最も声援を送っていた一人だった。しかし彼の願いも虚しく、ベルランガは
ハムザ・シーラーズに勝利することができなかった。
ベルランガの無抵抗の体がキャンバスに跳ね返された瞬間、ジェイコブスは当然のように打ちのめされた表情を浮かべた。派手なビッグマウスで知られるベルランガがロッカールームへと戻っていく中、ジェイコブスは何がいけなかったのかを理解しているかのように首を振った。
「時として、与えることはできても、同じだけ受け止めることができない選手がいる。しかも、それはトレーニングで身につくものじゃない」と、ジェイコブスは『ザ・リング』に語った。「相手のパンチが完璧なタイミングで入ってしまったとき、それが序盤だと、まだリズムもつかめていない。回復するのは本当に難しいんだ。」
2度の世界王座を獲得し、数々の強打者からパンチを受けてきたジェイコブスは、「打たれ強さ」というものをよく知っている。ゲンナジー・ゴロフキン、カネロ・アルバレス、フリオ・セサール・チャベスJr.、ピーター・クイリンなど数多くの猛者と拳を交えた彼は、「自分の体は少し違った作りをしていたんだと思う」と語った。
トレーナーのアンドレ・ロジアは、ジェイコブスが試合に入り込み本領を発揮するためには、何か特別なきっかけが必要だと理解していた。
「時々、俺のトレーナーは“目を覚ますためには一発もらう必要がある”って言ってたんだ」とジェイコブスは語った。「でも、選手によっては一発もらっただけで立て直せなくなることもあるんだ。」