【ラスベガス発】ボブ・サントスは、
マリオ・バリオスとのウェルター級タイトル戦に向け、
マニー・パッキャオがこれまでと同様にハードなトレーニングを積んできたと感じている。
バリオスのトレーナーであるサントスは、パッキャオがWBCウェルター級王者であるバリオスを軽視しているとは思っていない。とはいえ、殿堂入り王者のカムバックを練る中で、陣営が「最も攻略しやすい147ポンド王者」と見てバリオスを標的にしたのは明らかだ。だが、これまで耳にしてきたパッキャオの破壊力とは裏腹に、サントスは“背が高く、若いバリオスが持つ強打”に対して、パッキャオ陣営が本来払うべき敬意を払っていないと感じている。
「試合のスタイル的に、マリオは前に出て打ち合うタイプだから、だからこそ彼らは俺たちを選んだんだと思う」とサントスは『ザ・リング』に語った。「でもひとつだけ、彼らが見誤っているのはマリオのパンチ力だ。7月19日、彼らは思っている以上にマリオのパンチが重いことを思い知らされることになるだろう。……試合当日、(パッキャオが)打たれたときにどうなるか見てみよう。マリオにはパンチ力があるんだ。」
サンアントニオ出身のバリオス(29勝2敗1分、18KO)は、プロで対戦相手の56%をノックアウトしてきた。この数字は、パッキャオ(ノックアウト率54%)をわずかに上回っている。
ただしサントスは、ノックアウト率という数字には惑わされてはならないと指摘する。6フィート(約183センチ)のバリオスは、パッキャオより6インチ(約15センチ)高く、16歳も若い。ここ3戦ではいずれも12ラウンド判定まで持ち込みながら、エイベル・ラモス、
ヨルデニス・ウガス、ファビアン・マイダナからそれぞれダウンを奪っている。
フィリピン出身のパッキャオ(62勝8敗2分、39KO)は、過去11戦でノックアウト勝ちはわずか1度だけだが、過去2カ月間にわたりカリフォルニア州ハリウッドのフレディ・ローチ率いる「ワイルドカード・ボクシングクラブ」での
キャンプでは、かつての爆発力を取り戻した姿を陣営は確認している。
46歳となった今でも、パッキャオ陣営は、バリオスがこれまで32戦のプロキャリアで一度も受けたことのないような強打を浴びせると信じている。バリオスが唯一敗北を喫した2021年6月の試合では、アトランタのステートファーム・アリーナで行われた
ジャーボンタ・デービス戦において、バリオスは3度ダウンを奪われ、11回にストップされている。
「マニーのパンチはクソみたいに強い」と、パッキャオのアシスタントトレーナーであるジャスティン・フォーチュンは『ザ・リング』に語った。「バリオスはそんなパンチを受けたことがない。そんなの食らったら、普通は対応できない。あのレベルの相手とはこれまで戦ってこなかったからな。」
「バリオスが一発でも食らえば、すぐに後退を余儀なくされるだろう。もしそこで踏みとどまってマニーと打ち合おうとすれば、スピードでも機動力でも、そして手数でも完全に圧倒される。顔をカットされて止められる可能性もある。バリオスはカットしやすく、すぐに腫れるタイプだからな。」
30歳のバリオスがストップ負けを喫したのは、唯一、WBAライト級王者ジャーボンタ・デービス(30勝0敗1分、28KO)との試合のみで、そのときはWBA世界スーパーライト級王座をかけて戦っていた。一方、パッキャオはこれまでにノックアウトまたはTKOで3度敗れているが、最後にストップされたのは、2012年12月にMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたフアン・マヌエル・マルケスとの第4戦で、6回に衝撃のノックアウトを喫したときまでさかのぼる。今回、パッキャオがバリオスと拳を交えるのも、まさにその会場である。
バリオスの体格と年齢によるアドバンテージ、そしてパッキャオが約4年ものブランクを抱えていることが重なり、ドラフトキングスではこのプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)のPPVメインイベントで、バリオスを約3対1のオッズで有利と予想している。この4試合構成のイベントは、米国東部時間午後8時(太平洋時間午後5時)に開始予定で、ケーブルおよび衛星各社を通じて79.99ドルで購入可能となっている。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級記者兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing にて発信中。