ズッファ・ボクシングのダナ・ホワイトは、2026年から本格的に“スウィート・サイエンス（ボクシング）”に全力投入する予定で、年間12イベント、約200人のファイターを抱える体制を整える。

ホワイトとそのチームは、他のプロモーターや主要な認定団体とは提携しない方針であり、自らの選手たちを独自にランキングし、独自のベルトを授与する計画を立てる。

またホワイトは、TKOグループが支援する「モハメド・アリ・アメリカ・ボクシング復興法（H.R.4624）」の中心人物の一人でもあり、この超党派法案は、格闘技界全体で賛否両論の反応を呼んでいる。

この法案は「アリ法」を維持しつつ、「プロボクサーにより多くのキャリア機会、より良い報酬、そしてより強固な安全保護を提供する」ことを目的としている。

しかし、ボクシング界の多くの関係者は、既存の連邦規制を改変することが市場の独占、一方的な交渉、そして選手の報酬抑制につながると考えている。

ダナ・ホワイトは、マリオ・ロペスとスティーブ・キムが司会を務める番組「3ノックダウン・ルール」で、自身の計画について詳しく語った。

「俺は［モハメド・アリ法］を廃止しようとしているわけじゃない」とホワイトは言う。

「それに追加するんだ。アリ法は正しい意図で作られたと思う。ただ、制定されたからといって、それが機能しているとは限らないし、何かを解決しているわけでもない。むしろ多くのことを複雑にした。現実を見てみろ。ボクシングがかつてどんな状態で、今どうなっているかを考えれば、見たい試合を実現するためにサウジアラビアの資金が必要な状況になっている。それは持続可能じゃない。長期的には続かない……トゥルキ・アル・シェイクはこのスポーツに情熱を持っていて、短期間で素晴らしいことを成し遂げたが、ビジネスとして確立しなければ、それも続かないんだ。」

「［アリ法］の一語一句も変更されない——何も変わらない。ただ追加されるだけだ。もし君がファイターなら、今の制度のままで活動してもいいし、俺に賭けて俺たちの団体で戦ってもいい。選択肢はいくらでもある。」

カリフォルニア州アスレチック・コミッションは先週の公聴会で、この「モハメド・アリ・アメリカ・ボクシング復興法」を全会一致（6対0）で支持する決議を下した。

一方、ズッファ・ボクシングは最近、Paramount+とメディア放映権契約を結び、UFC番組と並行してイベントを配信することが決まった。

「これから5年間、やるべきことが山ほどあるが楽しみにしている」とホワイトは語る。

「ズッファ・ボクシングのビジョンはシンプルだ——基礎から始めて、スポーツそのものを一から再構築し、UFCと同じように本当のビジネスにすることだ。」

「つまり、ボクシングファンが“この大会なら間違いない”と信頼を取り戻せるようにすることだ。最初の試合から最後の試合までクオリティの高い内容で、最高の選手が最高の選手と戦う。テレビ放送でもライブ観戦でも最高の体験ができるようにしたい。」

「最高の選手同士が戦い、負けても構わない——全力で戦う限り、人々はそれを見たいんだ。俺はこれを、他の大手プロモーターが行かないような都市や場所にも持っていくつもりだ。」

「UFCを作り上げたとき、ボクシングで好きだったことをすべて取り入れ、嫌いだったことをすべて排除して形にした。同じことをズッファ・ボクシングでもやるつもりだ。」

Manouk Akopyan は『ザ・リング』の主任ライターである。X（旧Twitter）とInstagramで @ManoukAkopyan をフォローできる。