スーパーライト級コンテンダーのダルトン・スミスは、世界タイトル戦線への突入を目前に控える中で、「この階級で倒すべき男は、いまだリング誌王者のテオフィモ・ロペスだ」と考えている。
シェフィールド出身のスミスは、4月19日に地元パーク・コミュニティ・アリーナでフランスのマチュー・ジェルマン(26勝2敗1分)と対戦予定。この一戦に勝利すれば、次戦で世界タイトル挑戦のチャンスが回ってくる可能性が高い。
現在スミスはWBCの指名挑戦者ランキング1位に位置しており、次に対戦すべき相手は王者アルベルト・プエジョ。プエジョは、3月1日に行われたサンドール・マルティンとの初防衛戦をクリアし、昨年「正規王者」に昇格して以来の試合でその地位を守った。
しかし、“サンダー”の異名を持つスミスは、この大きなチャンスを台無しにしないためにも、地元シェフィールドで“圧倒的アンダードッグ”として乗り込んでくるジェルマンを決して侮ってはならないと肝に銘じている。
ダルトン・スミスは、同じスーパーライト級の同胞ジャック・キャテラルが、4月15日にマンチェスターで行われた試合でアーノルド・バルボサにまさかの敗戦を喫する様子を見届けていた。キャテラルはこの黒星で再び“列の後ろ”に並ぶこととなり、一方で勝者バルボサには、テオフィモ・ロペスのWBOタイトルへの挑戦権が与えられた。試合はニューヨーク・タイムズスクエアで開催される『ザ・リング・マガジン』主催のイベント「Fatal Fury: City of the Wolves」の第2弾で、DAZNが放映を担当する。
スミスは『ザ・リング・マガジン』にこう語った。
「みんなジャックが勝つと思ってたし、勝っていれば彼がそのカードに乗って、大金を手にしていたはず。でも、現実はバルボサがその座を手に入れた。誰もそんな展開は予想してなかったよ……ボクシングってのは、本当に計画通りにはいかない」
「だからこそ、すべてをしっかりやらなきゃいけない。今の俺には一つのミスも許されない。ここでつまずいたら、あのポジションに戻るのにあと3~4試合は必要になる」
「俺は他の世界タイトルも狙ってるけど、今はこの次の試合にすべてを集中してる。4月19日は、俺にとっての“世界タイトル戦”なんだ」
「相手は分かってるはずだよ――一度勝てば、いきなりチャンスが回ってくるって。俺は何年もかけてこのポジションを築いてきたのに、もしあいつが一回勝っただけでその座を奪ったら、たまったもんじゃない。でも安心しろ、そうはさせない」
スーパライト級では現在、主要4団体すべてで王者が分かれている状態だが、階級全体の印象について聞かれたスミスは、こう続けた。
「今の140ポンド級は本当にエキサイティングだし、ニューヨークでの『Fatal Fury』はそれを見事に映し出してると思う」
「ビッグネームも多いけど、俺にとってはテオ(テオフィモ・ロペス)が一番強い存在だと思ってる。彼のパフォーマンスには波があるけど、“当たりの日”のテオなら、おそらく全員の中で一番じゃないかな」
「でも俺は、誰とでも戦う準備ができてるし、全員倒す自信がある。プエジョとマルティン、どっちが勝っても構わなかった。今の俺なら、どっちが相手でも勝てると思ってる。
ただ――それを証明するためのチャンスが欲しいだけだ」