テレンス・クロフォードは、
9月13日に行われるスーパーファイトで、スーパーミドル級の4団体統一王者
カネロ・アルバレスに挑むため、2階級上の体重に挑戦する。
クロフォード(41勝0敗、31KO)は、体格的に劣る立場となるが、カネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)には試合当日に一切の体重制限を設けないと明かした。
「彼のベストの状態で戦いたいからだ」と、クロフォードは金曜、サウジアラビア・リヤドでの記者会見で、契約にキャッチウェイトやリハイドレーション条項を盛り込まなかった理由について語った。「言い訳なんていらない。体調が悪かったなんて理由も聞きたくない。とにかくベストの彼と戦いたいんだ」。
クロフォードはまた、自身は再戦条項を求めなかったことに言及したが、アルバレス側に敗北時の再戦条項があるかどうかについては明言を避けた。
クロフォードは、リーチで約9センチ、身長で約1センチのアドバンテージを持つとされる。だが、記者会見で両者が顔を合わせた際には、身長や体格に大きな違いは見られなかった。アルバレスはクロフォードより3歳若く、試合数は26戦多く、ラウンド数では275ラウンドも多く経験している。
近年のビッグファイトでは、体重制限が議論を呼ぶケースが多い。特に顕著だったのが、2023年の
ジャーボンテ・デービス対ライアン・ガルシア戦で、デービスがガルシアに136ポンドのキャッチウェイトと、試合当日の体重増加を10ポンド以内に抑えるリハイドレーション条項を課したことだ。ガルシアは後に、減量による疲弊が原因でKO負けにつながったと語っている。
また、アルバレス戦の実現を目指していた
デビッド・ベナビデスは、昨年、試合当日に最大で約11キロ増となることへの懸念を和らげるため、リハイドレーション条項の受け入れに同意したが、結局その試合は実現しなかった。
アルバレスもまた、過去のビッグファイトで体重条項によって不利な立場に立たされた経験がある。
2013年、キャリア初黒星を喫したフロイド・メイウェザー・ジュニア戦では、当時アルバレスはWBCおよびWBA世界スーパーウェルター級王者としてリングに上がったが、試合はメイウェザーの要望により152ポンドのキャッチウェイトで行われた(当初は147ポンドや150ポンドが提示された)。アルバレスは試合翌日の計量には応じなかったが、当日は165ポンドまでリハイドレートしたと報じられており、メイウェザーは150.5ポンドだった。
3か月後の試合では、ネットフリックスのゴールデンタイムで放送される中、アルバレスがクロフォードよりも体格的に優位に見えるだろう。
アルバレスは2018年から168ポンド級で戦っており、さらに175ポンドのライトヘビー級でも2度試合をしている(その1戦が2022年の
ドミトリー・ビボル戦での敗北だった)。プロデビューは15歳で、当時は140ポンド級。これまでに154、160、168、175ポンド級で世界タイトルを獲得してきた。
一方クロフォードは、2014年にライト級で世界王者となり、2015年から2017年は140ポンド級で戦い、4団体統一王者となった。2018年から2023年までは147ポンドのウェルター級で戦い、ここでも4団体統一を達成。154ポンドではこれまでに1戦のみで、2024年8月に
イスライル・マドリモフに判定勝ちし、WBA王座を獲得している。
Manouk Akopyanはザ・リング・マガジンの主任記者。X(旧Twitter)およびInstagramで @ManoukAkopyan をフォロー。