ジャロン・エニスの試合が組まれていれば、ブライアン“ボマック”マクインタイアが観戦している可能性は高い。4月12日、ニュージャージー州アトランティックシティで行われた試合でも、それは例外ではなかった。
マクインタイアは、エイマンタス・スタニオニスが勝つとは思っていなかったものの、リトアニア人が手強い相手であることは確信していた。だが、実際の試合ではスタニオニスが一切競ることなく、一方的な展開となった。
第6ラウンド終了時点でスタニオニスは流血し、困惑し、まったく対応策を見いだせていなかった。その姿を見て、セコンドはこれ以上のダメージを防ぐため、試合続行を断念した。
マクインタイアは一流のボクサーを知り尽くしている。長年テレンス・クロフォードのトレーナーを務めてきた彼が簡単に感動することはない。しかし今回、エニスのパフォーマンスには息を呑んだという。まさに圧巻だったのだ。
「素晴らしかった。あの子はまるで別次元だった」と、マクインタイアは『MillCity Boxing』のインタビューで語った。「信じられないほど良かった。あの子は本当に素晴らしかった。スタニオニスにはまったくチャンスがなかった」
現在27歳のエニスは、ここ数年ずっとクロフォードとの対戦を望んできた。しかし、37歳のクロフォードは現在カネロ・アルバレスとのビッグマッチに向けて動いており、その機会はすでに過ぎ去った感がある。それでも、かつて支配していたウェルター級をマクインタイアは今でも注視している。
The Ring、IBF、WBAのウェルター級王座を保持するエニスの功績は大きい。しかし、すべてを彼一人に帰するわけにはいかないとマクインタイアは語る。長年の経験から、戦略を練り上げる難しさを知る彼は、クロフォードの勝利に対してしばしば裏方に徹している自らのように、エニス陣営にも光を当てたいと語った。
「“ブーツ”(エニスの愛称)に敬意を表したい。そして父親の“ボージー”にも。素晴らしい仕事だった」