金曜夜、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで
カネロ・アルバレスと
テレンス・クロフォードが向かい合った際、2人は接触することはなかった。
前回、日曜日のニューヨーク・ジャビッツ・センターでの記者会見後に写真撮影のため並んだ際には、アルバレスがクロフォードを突き飛ばしていた。9月13日に行われる試合のプロモーションツアーの第3弾となる今回、アルバレスはその行為について、プロモーターのダナ・ホワイトらが2人を引き離そうとする中で、クロフォードが挑発的に前に詰め寄ってきたからだと説明した。
さらにアルバレスは、リヤド・シーズンを統括するトゥルキ・アル・シェイクが、ツアー2回目の記者会見で注目を集めるためにクロフォードに対して「何かやれ」と指示したと主張した。
「彼が俺を押し返そうとしたから、それが俺の反応だったんだ」と、金曜のステージ上でアルバレスは語った。「それだけさ。俺がどんなファイターか分かってるだろ。いつも相手に敬意を持って接してる。あいつも本当にやりたくてやったわけじゃないと思う。トゥルキ・アル・シェイクに『何かやれ』って言われたんだと思うよ。
それで、あいつはやった。前は“誰にも指示されて動くようなことはしない”って言ってたから、その言葉を尊重してたけど……結局やったよな。でも、俺のことを知ってるだろ。誰にでも敬意は持つ。でも俺をナメたら話は別だ。」
信じられないといった様子で、クロフォードはアル・シェイクが自分に何かを指示したというアルバレスの主張を否定した。アルバレスと再び対面したのは、わずか48時間足らずで2度目のことだった。2人のプロモーションツアーは1週間前、6月20日にサウジアラビアのリヤドで始まり、そこでは4階級制覇王者同士が互いに敬意を払い、特に波乱のない穏やかなスタートとなっていた。
「トゥルキは俺に何も頼んでない」とクロフォードは語った。「俺は(カネロに)触れてもいない。まず第一に、あの場にいた誰かが“俺がカネロを恐れてる”なんて言ってたから、俺は前に出て“誰がこの試合のボスか”を見せてやっただけだ。俺は誰のことも怖がっちゃいない。」
それに対し、アルバレスはクロフォードの“叔父”が、クロフォードがこの試合で挑戦する相手──リング誌・IBF・WBA・WBC・WBOスーパーミドル級王者を恐れていると発言した人物だと名指しで反論した。
クロフォードはさらに語った。「俺は誰も怖くねぇってこと、お前は思い知ることになる。前の記者会見で、お前を歩かせたのは俺だ。お前が“大きい男”であるはずだったのにな。」
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グアダラハラ出身のカネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、ネブラスカ州オマハ出身で元スーパーライト級およびウェルター級の4団体統一王者であるテレンス・クロフォード(41勝無敗、31KO)に対して、わずかに有利と見られている。クロフォードはアルバレスに挑戦した2週間後に38歳を迎える予定で、この試合では13か月ぶりの実戦となる。彼は史上初となる「3階級での4団体統一王者」の座を目指してリングに上がる。
Keith Idec は『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。