クレイグ・リチャーズは、
ダン・アジーズが「この試合の敗者は引退を考えるべきだ」と示唆したことについて、そのメンタル面に疑問を投げかけた。
南ロンドンのライバル同士である両者は
今週、ガーナ・アクラへと向かう。舞台は、マッチルームが西アフリカで初開催する興行のメインイベントとなる大一番だ。ともに30代半ばに差し掛かっているが、ライトヘビー級の世界王座挑戦へ向け、遅咲きのチャンスをまだ諦めてはいない。
しかし、土曜夜にレゴン・スポーツ・スタジアムで敗れれば、その野望に致命的な打撃となる可能性が高い。実際、36歳のアジーズ(22勝2敗1分、14KO)は、この一戦の敗者はグローブを吊るすことを真剣に考えなければならないと語っている。
ザ・リングのインタビューで、リチャーズは引退という選択肢を考えたことすらないと断言した。さらに、アジーズには敗戦後も「立て直すチャンスはいくらでもある」と伝えたという。
「ダンの主張にはまったく同意できない」とリチャーズは語った。「失敗したら終わりだ、なんて考え始めるのは最悪のマインドセットだ。そんな考え方をした時点で、もう片足はドアの外に出ているようなものだ。
そして、彼が負けたとしても、その後には試合がいくらでもあると思う。基準や物差しとして彼と戦いたい選手はたくさんいるはずだ。彼には多くのチャンスが残されている。」
リチャーズとアジーズが最初にスパーリングを行ったのは、南ロンドンのキャットフォードにあるパーマーズ・ボクシング・クラブで、今から15年前のことだ。それ以来、何年にもわたって多くのラウンドを共有してきたが、プロとして対戦するのは今回が初めてというのは、不思議にすら感じられる。
DAZNで生中継される今回の試合に向け、リチャーズは3月に
パドレイグ・マクローリー(19勝2敗、9KO)を8回TKOで下す価値ある勝利を挙げている。ただし、12回戦での勝利となると、2020年に
シャカン・ピッターズを9回で止めて以来、手にしていない。その後、リチャーズ(19勝4敗1分、12KO)は、
ドミトリー・ビボル、
ジョシュア・ブアツィ、
ウィリー・ハッチンソンにいずれも12回判定負けを喫している。
一方のアジーズも、ブアツィに判定で敗れている。さらに2024年10月には、
ルイス・エドモンドソンにも判定負けを喫した。
「この試合に勝った方は、世界の舞台へ進んでいける」とリチャーズは続けた。「だが、ダンが負けた場合、立て直しには長い時間がかかるだろう。だから、彼がこの先どうしたいのか、どこへ向かいたいのか次第だ。自分に関して言えば、そんなことは一切考えていない。ただ、この試合に勝つことだけに集中しているし、それがこの先に何をもたらすかを考えている。引退のことなんて考えていない。
『負けたら今からアマゾンに履歴書を送るべきか』なんて考えたこともない。勝ったら何につながるか、それだけを考えている。ダン・アジーズのような相手に勝てば、各団体のランキングでも上位に入っていくはずだ。だから、あとはやるべきことをやるだけ。自分の仕事は戦って、勝つことだ。」
では、非公開で積み重ねてきたスパーリングのラウンドが、リチャーズの自信の源になっているのだろうか。
「最初にやったのはもう15年前だ」とリチャーズは語った。「それからお互い大きく進化してきた。状況も変わった。その後、2021年に彼が英国王座を懸けてホセア・バートンと戦った時にも、スパーリングで手伝った。あのキャンプでも何度かラウンドを重ねた。その後、彼は彼で自分の道を進み、自分も自分の道を進んできた。そして今、こうして再び巡り合ったというわけだ。」