クレイグ・リチャーズは、マッチルーム初の西アフリカ興行で、サウスロンドンのライバルである
ダン・アジーズを12回KOで下す。
35歳のリチャーズは、2024年6月にサウジアラビアで行われたマッチルーム対クイーンズベリーの対抗戦で、ウィリー・ハッチンソンに大差判定負けを喫し、マッチルームが5戦全敗を喫した側に立たされる。
しかし土曜夜、ガーナ・アクラのレゴン・スポーツ・スタジアムに集まった1万8000人の観衆の前で、ダン・アジーズをストップし、その雪辱を果たす。DAZNで生中継されたこの一戦は、プロモーターにとっても西アフリカでの記念碑的イベントとなる。
試合は終盤2ラウンドに入るまで比較的拮抗していたが、12回開始からわずか30秒、強烈な左フックが勝負を一気に終わらせる。
序盤2ラウンドは慎重な展開となるが、低いガードのリチャーズに対し、アジーズがジャブを繰り返し当てて主導権を握る。
続く2ラウンドでは両者が見せ場を作るが、特に4回終了間際にリチャーズが放った重い右が印象に残る。
5回には、アジーズが鋭いワンツーを決め、この試合で最も精彩を放つコンビネーションを披露する。リチャーズはあらゆる角度から反撃を試みるが、アジーズが巧みにかわし、ラウンドを終える。
6回はこの試合で最もアクションの多いラウンドとなり、リチャーズの右アッパーが相手の注意を引く。一方でアジーズもジャブや右を当て返し、互角の攻防が続く。
7回序盤、リチャーズはボディを攻めるが、終盤の多連打の打ち合いでは、左を強打したアジーズが優位に立ち、リチャーズはペースを感じ始めた様子を見せる。
8回序盤は再びアジーズがジャブで組み立てるが、リチャーズはオーバーハンドの右で応戦する。両者は左フックも交錯させ、ラウンド終盤には疲労の色が見え始める。
9回はリチャーズにとってこの試合最高のラウンドとなり、強烈なワンツーでアジーズをロープまで後退させる。挽回を狙ったアジーズはさらに右を被弾し、力なくコーナーへ戻る。
10回もアジーズにとって厳しいラウンドとなり、至近距離で右アッパーを浴びた後、再び強烈なワンツーを受ける。リチャーズはジャブも頭部とボディに的確に当て続ける。
11回もリチャーズが優勢を保ち、9回と10回のダメージから立て直そうとしたアジーズは、さらに被弾を重ねる。
そして最終12回、リチャーズの強烈な右が炸裂し、続けて放たれた大きな左フックがアジーズをキャンバスに仰向けに倒す。レフェリーは即座に試合を止め、決着がつく。