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コーリー・アードマン:「1978年に蒔かれた種が、ケイティ・テイラーとアマンダ・セラノによってついに花開いた」
コラム
Corey Erdman
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コーリー・アードマン:「1978年に蒔かれた種が、ケイティ・テイラーとアマンダ・セラノによってついに花開いた」
歴史的な第3戦をマディソン・スクエア・ガーデンで迎える直前の火曜日、ケイティ・テイラーアマンダ・セラノは、ワールドトレードセンター跡地にある「オキュラス」で公開練習を行った。そこには、彼女たちのライバル関係が象徴する意味があらゆる場所に表れていた。

まず注目すべきは、女子ボクシングのプロモーションイベントが、1日30万人以上が行き交うショッピングモール内で行われたという事実だ。これは、女子ボクシングがいまや商業的にも成立していることを示す証であり、リングは1階の「ブライトリング」や「ヒューゴ・ボス」の店舗前に設置されていた。

さらに象徴的だったのは、テイラーとセラノの50フィート(約15メートル)超の巨大バルーンがモール全体を見下ろすようにそびえ立っていたことだ。通行人にとっては格好のインスタ投稿スポットであると同時に、女子スポーツ全体の象徴としての2人の存在感を視覚的に示すものであり、彼女たちが開いた道を今歩むアンダーカード出場者たちの上に立ち、打ち破った「ガラスの天井」を象徴する存在として君臨していた。




その2日後、テイラーとセラノは3度目の対戦に臨んだ。今回は、世界最大のストリーミングサービスであるNetflixの番組でメインイベントを務めた。彼女たちが子どもだった頃には、女子がボクサーとして認められることすら困難だった世界の中で、いまやスポーツとエンターテインメントの中心に立っている。

テイラーとセラノが生まれた頃、ニューヨーク州で女性がプロボクサーとしてライセンスを取得できるようになってから、まだ10年も経っていなかった。1978年、キャシー・“キャット”・デイビス、レディ・タイガー・トリミア、ジャッキー・トナワンダの3人が、同州で初めて女性としてプロボクシングのライセンスを取得した。それは、最初の申請者リアナ・ラ・マーがライセンスを求めてから実に56年後のことだった。

この形式上の勝利は、複数の訴訟や人権委員会の関与、さらには申請書における若干の“創造力”なしには成し得なかった。たとえば、デイビスの試合には八百長の疑いがかけられたこともあり、トナワンダの経歴にも誇張があった可能性がある。

とはいえ、それらは必要に迫られた“罪”だった。女性にプロボクシングのライセンスを認めることは、「真剣なファンを惹きつけるボクシングのイメージを即座に破壊し、競技の名誉を汚すことになる」と法廷で発言した当時のコミッショナー、エドウィン・ドゥーリーに自らの価値を証明するには、正攻法では限界があった。だからこそ、ほんの少しの“誇張”が必要だったのだ。もしこの3人の女性がいなければ、変化がいつ、あるいは本当に起きていたのかすら分からない。




テイラーとセラノは、キャリアにおいて何かを“でっち上げる”必要など一切なかった。3部作に至る以前から、彼女たちの実績とパフォーマンスは記録され、称賛され、報酬も支払われてきた──望んだ額や、当然得られるべき額には及ばなかったにせよ。しかし彼女たちは、対等に扱われるためには常にそれ以上の努力が求められるという現実を、痛いほど知っている。

2022年の初戦は、性別を問わずその年のベストバウトと評される試合となり、マディソン・スクエア・ガーデンの場内にはいまなお語り継がれる熱狂が生まれた。第2戦は、ジェイク・ポール対マイク・タイソン戦のセミメインとして行われ、女子スポーツ史上でも屈指の視聴数を記録し、記録的なパンチ数を叩き出して主役の座を奪った。ボクシングがまれに“単一文化”として注目を浴びた夜だった。

テイラーとセラノは、男女を問わずボクシング界で最も実績のある選手たちの一人であり、巨大なファンベースを誇っている。それでもなお、あの初戦があれほどスリリングでなかったなら──タイソン戦のアンダーカードにも、Netflixの放映も、数百万ドルの報酬も、存在しなかった可能性がある。試合翌日には「ふだん女子ボクシングには興味ないけど、あれは本当にすごかった」といった声が聞かれるのも珍しくなかった。あの時点では、“優れている”だけでは不十分だった。女性たちは“異次元”でなければならず、あるいは、少なくとも“男性よりもエキサイティング”である必要があったのだ。

そして迎えた第3戦は、まったく異なるトーンを帯びた。試合週にほのめかされていた通り、両者はより戦略的に戦い、動きと慎重さを重視したスタイルを見せた。戦術面だけで見れば、それは当然の選択だった。セラノにとって、これまでの超攻撃的なアプローチは、判定で明確な勝利を得るには至らなかった。だからこそ、違うやり方を試す必要があると感じたのだ。一方のテイラーは、不屈の闘志によってセラノの猛烈な手数に応じようとし、それがこれまでの2戦で彼女を危機に追い込んでいた。




だが、そこにはおそらく、もっと深い意味もあった。試合週、巨大な自分たちのバルーンを見上げながら、初めて公の場でファンと触れ合った瞬間、彼女たちは気づいたはずだ──自分たちはもはやボクシング界という“銀河”の中の星の一つではない、と。男性の軌道に乗れることを証明する必要はもうなかった。むしろ今では、自分たちこそが周囲の選手たちが軌道を描く“太陽”なのだと。テイラーとセラノにはもう、「女性でも戦える」「メインを張れる」「観客を魅了できる」といったことを証明する義務はなかった。今、彼女たちはただ“ボクシングをする”ことができるのだ。

だからこそ、テイラーはそうした。厳しい戦いながらも冷静に、規律あるパフォーマンスを貫き、三部作の最終戦を判定勝ちで締めくくった。そしてライバル関係を完全に制した。

真の平等とは、不利な立場に置かれていた側が“普通”であっても存在を許されるようになることだ。もちろん、テイラーとセラノは“普通”ではない。そして金曜夜も、その常識を超えた存在であり続けた。彼女たちは、女子ボクシング史上でも3本の指に入る偉大な選手であり、今なおその座を守っている。

だが今回は、メインイベントを務めながらも、「女子にボクシングはできるのか」という命題に答える重圧を背負わずに戦うことができた。自分たちが何百万ドルに値する存在であることを、もう証明する必要はなかった。それはすでに証明済みであり、今回の試合で3年前と同じ会場のゲート収入が倍増したことが、それを裏付けていた。

もちろん、その大きな勝利が彼女たちの心から離れていたわけではない。公開練習の場でセラノは、いつもより高めのトーンで響く観客の歓声を聞き、「これは扉が開く音だ」と語った。

試合後、勝利を祝うテイラーの隣で、アリエル・ヘルワニにマイクを向けられたセラノは、簡単に試合の内容を振り返ると、すぐに言葉を高めて、ここまで歩んできた道のりと、女性たちが勝ち取ってきた権利を讃える独白へと突入した。その感情の渦と歓喜の裏には、もはや扉を開けておくだけでなく、それを閉めようとする者たちと闘い続ける必要はないのだという安堵の響きもあった。テイラーとセラノが見下ろしていた女性たちは、今やこの“部屋”の中にいる。そして、もうその扉を必死に守らなければならない理由はない。

「今夜はすべての女性にとって本当に素晴らしい夜だった」とセラノは語った。「やったのよ、ベイビー。私たちはやり遂げた。歴史を作ったの。みんな一人一人を誇りに思ってるわ」




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