今週末に行われるキーロン・コンウェイ対ジェローム・ウォーバートンの空位となった英国ミドル級王座決定戦は、人生の夢をつかむためにようやく巡ってきたチャンスをものにしようとする男と、自身の夢をつなぎ止めたい男との戦いである。
コモンウェルス王者のコンウェイ(22勝3敗1分、6KO)とウォーバートン(15勝1敗2分、2KO)は、土曜夜にカッパー・ボックス・アリーナで拳を交える。
この日のメインイベントは、ジョニー・フィッシャー対デイブ・アレンによるヘビー級再戦であり、DAZNが世界に向けて配信する。ウォーバートンは、才能に恵まれながらも下積みの多い小規模興行のサーキットに長く留まり過ぎたことにより、その意欲と集中力をすり減らしてしまう恐れのあるタイプの選手である。
29歳のウェールズ出身のウォーバートンは2019年にプロデビューしたが、今回が自身初の大規模なテレビ中継の舞台となる。序盤で数度の苦戦を強いられたものの、地道にキャリアを積み重ね、現在は8戦無敗の波に乗っている。
昨年から潮目が変わり始めた。2月にはアーロン・サットンの地元に乗り込み、激戦の末に無敗だったサットンを10ラウンド判定で下した。6月には実力者ライアン・ケリーと引き分けに持ち込んだ。
このようにして、ウォーバートンは今回のタイトル挑戦の機会をつかみ取った。
「14歳で初めてボクシングジムに入った日から、ずっとこの瞬間のために努力してきた」と、ウォーバートンは水曜の最終記者会見で語った。
「人々の予想を裏切るのが自分のスタイルだ。誰も自分がこの位置まで来られるとは思っていなかった。だが、ここまで来た。土曜日は負けるわけにはいかない。」と続けた。
「絶対に勝つ。」
一方、29歳のコンウェイは英国のボクシング界において派手さや人気こそないが、印象的なイベントに幾度も登場してきた。
2021年には米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われたサウル「カネロ」アルバレス対ビリー・ジョー・サンダース戦のアンダーカードで、世界レベルのスレイマヌ・シソッコと対戦。観衆は7万人を超えた。
翌2022年には再び大西洋を渡り、ラスベガスのTモバイル・アリーナでオースティン「アモ」ウィリアムズと拳を交えた。この日のメインはアルバレス対ゲンナジー・ゴロフキンの第3戦であった。昨年は日本にも遠征し、100万ドル賞金を懸けた幻のプライズファイター・トーナメントにおいて、初戦でアイニワエル・イリシャティを1ラウンドKOで下している。
今回ウォーバートンを下せば、コンウェイは再び大舞台に登場するチャンスを保持できる。しかし敗れれば、引退に直結はしないものの、世界戦線での再浮上は絶望的となる。
コンウェイ自身もこの試合の重要性を理解している。
「自分のキャリアは正直言って波乱万丈だった」とコンウェイは語る。
「今まで経験したことは、現実とは思えないようなものばかりで、本当に素晴らしい体験だった。だが、今回の試合は英国タイトルという特別な意味を持つ。
土曜日が待ち遠しい。ノーサンプトンにこのタイトルを持ち帰りたい。そして今回こそは、自分の中で完璧に勝つべき試合だと思っている。
過去に2019年、テッド・チーズマンとの英国スーパーウェルター級王座戦でスプリット・ドロー(判定が割れた引き分け)に終わって以来の2度目の挑戦であり、自分にとってこのタイトルを手にすることは極めて重要である。
今回は自信満々だ。素晴らしいトレーニングキャンプを経て、今は本当に準備万端である。」