3階級で4団体統一を果たし、オリンピック2大会連続金メダルを獲得したシールズは、ヘビー級での2試合を経てこの階級に順応しており、望んでいた試合数の増加という恩恵も受けている。今回のダニエルズ戦は2025年で2戦目となり、1年に複数試合をこなすのは2022年以来、そして2018年以降では2度目となる。
下の階級での試合数が限られていた過去と比べ、ヘビー級ではより活発に戦えていることから、シールズには減量して再び下の階級に戻る意向は今のところない。
「私はミドル級、スーパーミドル級、さらにはスーパーウェルター級でも戦っていたけれど、年に一度しか試合ができなかった」とシールズは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「その階級では試合を組むのがとても難しかった。でも今はヘビー級で戦っていて、年に2〜3回試合ができている。それが私にとって大きな違いよ。私は試合ができる場所に行くつもり。今のところ、ヘビー級が最も試合のチャンスがある階級のように思えるわ」
「年間を通してより多くの報酬を得られるし、年間を通してより多くの場面で自分をアピールできる。それは私のキャリアにとって非常に重要なこと」とシールズは語った。「私は今、最も有名な女子ボクサーであり、パウンド・フォー・パウンドでナンバーワンの存在。それなのに年に1回しか試合しないなんてありえない。年に複数回戦うのは本当に気持ちがいいし、7月26日以降にもう1試合、できれば2試合こなせれば、それは夢のような年になるわ」
シールズ(16勝0敗、3KO)は、2月2日に地元ミシガン州フリントでダニエル・パーキンスと対戦し、圧倒的な内容で3-0の判定勝ちを収めて女子ヘビー級の4団体統一王者となった。この勝利により、彼女は4団体時代において史上初めて3つの異なる階級で統一王者となったボクサーとなり、女子としても史上初のヘビー級4団体統一王者となった。
ヘビー級での戦いは明らかに違いをもたらしている。卓越したスキルに加え、シールズは自身がより強く感じているという。2024年7月27日にこの階級で初戦を迎えた際は、ヴァネッサ・ルパージュ=ジョアニスを2ラウンドで3度倒してTKO勝利を収め、WBAとWBCのヘビー級王座を獲得した。
パーキンス戦では、10回最終ラウンドの残りわずかな時間に、シールズが強烈な右ストレートを放ち、パーキンスを倒した。もしもう少し時間が残っていれば、シールズは2戦連続でストップ勝ちを収めていた可能性もあった。
「本当に調子がいい」とシールズは語る。「相手を倒してるし、ダメージも与えてる。どんどん強く、速くなってるわ。ヘビー級が好き。どの階級でも私は見栄えするけど、今ほど強さを実感したことはなかった」
シールズは今後、減量して下の階級に戻る可能性を完全に否定はしていないが、以前のように対戦相手を見つけるのが困難だったことを踏まえると、戻るとすれば特別な試合に限られるだろう。
まずは、
ダニエルズ(11勝2敗2分、1KO)との対戦に集中する必要がある。ニュージーランド出身のダニエルズは、IBF女子ヘビー級王座を含む2階級制覇王者で、現在はIBFライトヘビー級(175ポンド)王者でもある。2023年12月2日にデズリー・ロビンソンとの王座決定戦を判定で制し、ライトヘビー級王者となったことでヘビー級王座を返上している。
ダニエルズは現在7連勝中で、7月26日の一戦にその勢いのまま臨む。
「ラニは非常に優れたチャンピオンだと思う」とシールズは語る。「アグレッシブだし、ニュージーランド全体を背負ってこの試合に臨んでくる。彼女は勝つつもりでやってくるけど、私と対戦する女子選手たちはみんな、結局負けるのよ」
シールズと彼女のプロモーターであるサリタ・プロモーションズのディミトリー・サリタは、この試合がシールズにとってリトル・シーザーズ・アリーナで4試合中3度目のメインイベントとなることから、満員の観客を期待している。さらに、複数のグラミー賞ノミネート歴とBET賞受賞歴を持つアーティスト、リック・ロスがリングウォークを務める予定であり、サリタはこの試合が単なるボクシングイベントにとどまらないと述べている。
「7月26日は、ただのボクシングイベントではない」とサリタは『ザ・リング・マガジン』に語る。「これはボクシングを祝う素晴らしいイベントになる。クラレッサは「ボス」ことリック・ロスにエスコートされる予定だ。彼はレジェンドであり、セレブでもある。ほかにも大物ゲストが登場する予定だ。さらに驚きの仕掛けや追加カードも準備している」
「私はいつだって試合にワクワクする」とシールズは語る。「でも今回は、それ以外の要素にもワクワクしてるの。リック・ロスにリングウォークをしてもらえること、そして会場には1万9000人のファンが入る予定だってこと。そういうのにもいつも興奮するわ。しかも今回の相手は2階級制覇王者。彼女のニックネームは“微笑みの暗殺者”だから、試合までの間にたくさん笑いやいろんなやり取りがあると思うの。全部含めて楽しみにしてる」