高く評価されているスーパーミドル級コンテンダー、クリスチャン・ムビリが、WBC暫定タイトルを懸けてマチェイ・スレッキと対戦することが決定した。試合は6月27日、カナダ・ケベック州モントリオールのヴィデオトロン・センターで行われる。
ムビリ(28勝0敗23KO)のプロモーターであるEye of The Tigerは当初、ディエゴ・パチェコとの対戦を目指して交渉を進めていたが、条件面で合意に至らず、試合は入札(パースビッド)に向かう見込みだった。しかし、アメリカのプロモーターであるマッチルームが、入札の前日にパチェコを撤退させた。
その後WBCランキングを精査した結果、現在WBC第7位であるマチェイ・スレッキ(33勝3敗13KO)が代役として名乗りを上げた。スレッキは2月にカザフスタンでアリ・アフメドフを10ラウンドTKOで下すキャリア最高の勝利を収めており、今回のチャンスを手にした形だ。
セミファイナルでは、エリク・バジニャン(32勝1敗1分、23KO)とスティーブン・バトラー(35勝5敗1分、29KO)が対戦する。両者はもともと3月14日にEye of The Tiger陣営内での対戦が予定されていたが、バジニャンが足首の靭帯を捻挫したため延期となっていた。
かつて有望視されたヘビー級のアルスランベク・マフムドフ(19勝2敗、18KO)は、カナダを拠点とするジャマイカ人リカルド・ブラウン(12勝0敗、11KO)との再起戦に臨む。
また、『ザ・リング・マガジン』ライトヘビー級ランキング6位のアルベルト・ラミレス(20勝0敗、17KO)も出場予定で、世界タイトル挑戦を待ちながら未定の相手と対戦する。
さらに、評価の高いスーパーライト級のジョン・オロビオ(13勝0敗、11KO)、急成長中のスーパーミドル級ウィルケンス・マチュー(13勝0敗、9KO)、ライト級のルイス・サンタナ(13勝0敗、6KO)も同興行に出場予定で、対戦相手は後日発表される。
一方、女子ジュニアライト級では、レイラ・ボードワン(12勝1敗、1KO)が元世界タイトル挑戦者で危険な相手であるエルヘム・メカレド(17勝3敗、3KO)と対戦し、大会を締めくくる。
ムビリは、『ザ・リング・マガジン』スーパーミドル級ランキングで第1位に位置しており、2016年リオ五輪ではフランス代表として出場。準々決勝で最終的に金メダルを獲得したアルレン・ロペスに敗れている。その後、カナダに移住して市民権を取得し、段階的にステップアップして現在の地位を築いた。
アクション満載の29歳ムビリは、元世界タイトル挑戦者ナジブ・モハメディを5回KO、カルロス・ゴンゴラとは壮絶な打ち合いの末に判定勝ち(10回)、ローハン・マードックを6回終了時棄権に追い込み、直近では3度の世界タイトル挑戦経験を持つセルゲイ・デレフヤンチェンコを判定で下している(10回)。
スレッキは2010年にプロデビューしたポーランド人選手。地元ポーランドで19連勝を飾った後、2015年にアメリカへ進出。ヒューゴ・センテノJr.を10回TKOで、ジャック・クルカイを10回判定で下すなど印象的な勝利を収めたが、WBAタイトル挑戦者決定戦でダニエル・ジェイコブスに判定負けし、無敗記録が途切れた。
現在35歳のスレッキは、その後ゲイブ・ロサドに10回判定勝ちを収めて再起を果たし、当時WBO世界ミドル級王者だったデメトリアス・アンドラーデへの挑戦権を獲得。しかし、その試合では12回判定で敗れている。
その後は4連勝を挙げ、ディエゴ・パチェコとの対戦に臨んだが、6ラウンドでキャリア初のストップ負けを喫した。誇り高きポーランド人ファイターであるスレッキは、アリ・アフメドフ戦では“かませ犬”扱いされていたが、見事に番狂わせを演じてみせた。
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