クリス・ユーバンクとコナー・ベンが、世代を超えた待望の対決でついに激突する。この試合は、土曜夜にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催され、
DAZN PPVにて生中継される予定である。
本戦に先立ち、『The Ring』誌の「餓狼伝説: City of the Wolves」イベントのメインイベントで拳を交える二人だが、ここではユーバンク(34勝3敗、25KO)のキャリアの中で特筆すべき5つの勝利を、年代順に振り返る。
カミル・シェレメタ戦(2024年12月10日、キングダム・アリーナ、リヤド)- 7ラウンドTKO
13ヶ月のブランクを経てリングに戻ったユーバンク・ジュニアは、元世界ミドル級王者シェレメタを相手に圧倒的なパフォーマンスを見せた。シェレメタはこれまでゲンナジー・ゴロフキンとハイメ・ムンギアにしか敗れていなかったが、ユーバンク・ジュニアもそのリストに加わることとなった。試合は7回1分50秒、ジョン・レイサム主審によってストップされるまでに、ユーバンクはシェレメタを3度倒している。試合直後、コナー・ベンがリングに飛び入りし、今週末の対決への機運が一気に高まった。
リアム・スミス戦(2023年9月2日、マンチェスター・アリーナ)- 10ラウンドTKO
2023年1月、リバプールのスミスにキャリア初のTKO負けを喫したユーバンクだったが、8ヶ月後の再戦で見事なリベンジを果たした。初戦では4回にスミスの一撃で衝撃を受けたが、再戦ではまるで別人のような動きを見せた。4回と10回にスミスをダウンさせ、最終的にはケビン・パーカー主審が試合を止めた。ロープに追い詰められ、ユーバンクの猛攻に耐えきれなかったスミスに勝負の行方は決した。
ジェームス・デゲール戦(2019年2月23日、O2アリーナ、ロンドン)- 12ラウンド判定勝ち
ユーバンクの戦績の中でも最大の名前の一人であり、最も成熟したパフォーマンスと評価されている試合である。全盛期を過ぎたとはいえ、2度の世界スーパーミドル級王者デゲールを2度倒し、ユーバンクは初の12ラウンド戦を制した。この試合は、前年のジョージ・グローブスとのタイトル挑戦失敗後の再起戦でもあった。減点を受けたにも関わらず、3者全員一致の判定勝ちを収め、そのうち一人のジャッジは117-108の大差をつけた。
アヴニ・イルディリム戦(2017年10月7日、ハンス・マルティン・シュライヤー・ハレ、シュトゥットガルト)- 3ラウンドKO
無敗を誇るパンチャー、イルディリムとの対戦はワールド・ボクシング・スーパーシリーズの初戦であり、敵地シュトゥットガルトでは観客からブーイングや唾をかけられる過酷な環境であった。「ようこそ地獄へ」と書かれたバナーが掲げられる中、ユーバンクは全てを無視し、3ラウンド以内で相手を粉砕。3回1分58秒、鋭い左フックで試合を終わらせた。
ゲイリー・オサリバン戦(O2アリーナ、ロンドン)- 7ラウンド終了TKO
この試合は激しい前哨戦で注目を集めた。計量時にはオサリバンがユーバンクにキスをするという挑発もあり、さらにユーバンクの父であるクリス・ユーバンク・シニアがセコンドにつき、一方のオサリバンには1995年にシニアを2度破ったスティーブ・コリンズが帯同していた。試合当日、ユーバンクは冷静に試合を運び、コーク出身のオサリバンを圧倒。7ラウンド全てを制し、オサリバン陣営が棄権を申し出たことで試合は幕を閉じた。