クリス・ユーバンク・ジュニアは、父クリス・ユーバンク・シニアとの最近の会話の中で、もし父が今もそばにいたら、2月のマンチェスターでの記者会見でコナー・ベンに卵を投げつけることはなかっただろうと伝えたことを明かした。
ユーバンク・ジュニア(34勝3敗、25KO)は、4月26日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで、コナー・ベン(23勝無敗、14KO)とのビッグマネーを動かすミドル級一戦に臨む。このイベントは、「リング」誌がSNKゲームズ、マッチルーム、ボクサーと共同で開催する。
両者は本来、2022年10月に対戦する予定だった。当時、ユーバンク・シニアはこの試合に反対していた。というのも、彼自身も30年前にナイジェル・ベンと2度の世界タイトル戦を戦った過去があり、157ポンドのキャッチウェイトでの契約によって息子が過度な減量を強いられることを懸念していたからだ。
しかしこの試合は最終的に、コナー・ベンが任意ドーピング検査機関(VADA)による検査で2度の陽性反応を示したことで中止となった。その後ベンは無罪放免となり、今回の試合は160ポンドのミドル級リミットで行われることになった。
ユーバンク・ジュニアと父ユーバンク・シニアは、ここ数年あまり連絡を取り合っておらず、シニアは今もなお、この試合が本当に実現するとは信じていない。
しかし、父と息子は、3月初めにブライトンで行われたユーバンク・ジュニアの従兄弟ハーレムのタイロン・マッケンナ戦の際に、約数年ぶりに言葉を交わしたという。
T今や話題となった“卵ビンタ”についても会話が交わされ、ユーバンク・シニアは息子に対し、その行動を容認することはできないと伝えたという。これに対しユーバンク・ジュニアも、その意見には同意しつつも、「その失敗は自分自身で経験すべきものだった」と認めた。
ユーバンク・ジュニアは「ザ・リング・マガジン」にこう語った。「数週間前に少しだけ父と話して、そのときにまさにそのことを伝えたんだ。父は『あんなことをするべきじゃなかった、俺は認めない』って言ってたし、正直、自分もあの行動を認めてるわけじゃないよ。」
「相手を攻撃したり、叩いたり、そういうことをするべきじゃないとは思ってる。でも自分にはちゃんとした理由があった。本気の理由がね。あれは暴力じゃなくて、自分なりのメッセージだったんだ。」
「自分が父に言ったのは、『いつか本を書くつもりなんだ』ってこと。そしてもし父が今も昔みたいに、そばでアドバイスしたり、すべてを導いてくれてたら、その本にはきっと『コナーに卵をぶつけようと思ったけど、父に止められたからやらなかった』って書くことになってただろうね。」
「それが俺の本に書かれてたら、誰もそんな話に興味なんて持たないだろう。でも今のストーリーは――正しかったか間違っていたかは別にして――“俺がやった”ってことだ。そしてそれが世界中のニュースになった。良かれ悪しかれ、それが俺の物語であり、俺の選んだ道なんだ。男として、それを自分の手で書き残せることに意味があると思ってる。」
「今やってることは全部、自分の選択であり、自分の決断なんだ。成功も失敗もすべて自分のものだし、それを受け入れて生きていける。」
「このことは全部、ハーレムの試合のときに父に話したんだ。会場に顔を出して、ばったり会って、ハーレムがリングに向かう前に少しだけ話したんだよ。」
ユーバンク・シニアが息子とベンの試合に姿を見せるかどうかは、今のところ不明だ。しかしユーバンク・ジュニア自身は、現時点ではあまり期待していないようだ。
それでも、なんとかして父を会場に呼びたいという気持ちは変わらない。
「正直わからない」とユーバンク・ジュニアは付け加えた。「来てくれることを願ってるし、祈ってる。来てもらえるようにいろいろやってみるつもりだけど、今の時点では何とも言えない。本当に分からないんだ。」