ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)—キャロライン・デュボアが、シン・ボミレを相手に苦戦を強いられながらも、WBCライト級王座を死守した。
ナターシャ・ジョナス vs. ローレン・プライス戦と並ぶこのコメインイベントでは、95-95のドロー判定も出たが、最終的にデュボアが判定勝利を収めた。
24歳のデュボアは、終盤に韓国の挑戦者から激しいプレッシャーを受け、アップセット負けの危機に直面した。
しかし、最後の2分間をなんとかしのぎ、最終的には物議を醸すマジョリティ・デシジョン(2-0判定勝ち)でタイトルを守った。
韓国のジャッジ、キム・ジェボンは95-95のイーブンスコアをつけたが、ヴィクター・ロクリン(98-93)、**ペルラ・ロドリゲス(98-92)**の2人はデュボアの勝利を支持し、王者の実力を認めた。
BOXXERによるこの5試合の興行は、ナターシャ・ジョナス vs. ローレン・プライス戦をメインに、スカイスポーツ・メインイベントとスカイスポーツ+でイギリス全土に放送された。
シェーン・マクギガンが指導するデュボアにとって、WBCライト級王座の初防衛戦は1月11日にシェフィールドで行われたジェシカ・カマラ戦だったが、偶発的なバッティングによるカットの影響でテクニカルドローに終わっていた。
しかし、今回は一部の採点に疑問が残るものの、WBC正規王者としての初勝利を記録した。
ロイヤル・アルバート・ホールには、デュボアが入場する頃には満員の観客が詰めかけ、大歓声が響き渡った。
一方、シン・ボミレはリング内を駆け回りながら王者の登場を待つなど、試合前からアグレッシブな姿勢を見せていた。
ロンドン入りする前まで3連勝中だった韓国・ソウル出身の30歳の挑戦者は、試合が始まると一切の逃げ腰を見せることなく前進。
オーソドックススタイルのシンは、サウスポーのデュボアのリードハンドを牽制しながら、遠い距離からストレートの右を狙う作戦だった。
しかし、デュボアはこの攻撃に冷静に対応し、得意の左ボロパンチを織り交ぜながらポイントを稼いだ。
デュボアは第2ラウンドに攻撃のスイッチを入れ、開始早々に左フックをヒット。
その後、ボディ攻撃へと切り替え、右のボディフックを連打してプレッシャーを強めた。
ラウンド終盤には、レフェリーのマーク・ライソンに対して一瞬抗議の仕草を見せたシンの隙を突き、デュボアは左ストレートを頭部に決め、ラウンドを締めくくった。
第3ラウンドも同じような展開となり、デュボアが完全に主導権を握った。
シンは終始追いかける形となり、デュボアのヘッド&ボディへの攻撃を防ぐことができなかった。
第4ラウンドでは、デュボアがさらに圧力を強め、より強烈なパンチを放つ。
ラウンド終盤には、デュボアの左ストレートがシンを大きくぐらつかせたが、残り時間がわずかだったため、仕留めきるには至らなかった。
第5ラウンドに入ると、シンは高いガードを維持しながら前進を続けたが、デュボアはその動きを読んで巧みに距離を取り、連打をヒットさせた後にカウンターを警戒しながらうまく回避。
シンがプレッシャーを強めるほど、デュボアは後ろに下がりながらのカウンターで冷静に迎撃した。
しかし、第9ラウンドに入ると、シンの右ストレートがクリーンヒットし、韓国陣営のセコンドが一気に盛り上がる。
続けざまにもう一発右をヒットさせると、デュボアにとっても難しい展開になり、最終10ラウンドを迎えることとなった。
最終ラウンド、シンは最後の2分間で勝負をかけ、まさかの逆転KOを狙うべく攻勢を強めた。
しかし、デュボアは最後まで踏ん張り、試合終了のゴングとともに判定勝利を確保。
結果は**スプリット・デシジョン(2-1)**での防衛成功となった。
試合後、デュボアは「ボミレはタフでフィジカルの強い選手だった。まさに想定していた通りの相手だった」とコメント。
トレーナーのマクギガンは、デュボアが試合前の10日間ウイルスと闘っていたことを明かした。
「最後に彼女にチャンスを与えてしまったかもしれないけど、私はインサイドでの戦い方をもっと学ぶ必要があると感じた。
スパーリングでやるのと、本番の試合では全く違う」とデュボアは振り返った。