カルロス・アダメスは、激しい打ち合いを好むボクサーであるが、誰とでも戦うつもりはない。
彼がキャリア唯一の黒星を喫したのは、2019年11月に行われたWBO暫定世界タイトル戦でのパトリック・テイシェイラ戦であった。この敗戦は、彼にとって現在の立ち位置への感謝の念を深める契機となった。しかし、それで満足しているわけではない。
アダメス(24勝1敗1分、18KO)には、いくつかの明確な目標がある。その一つが、世界王座の統一である。
WBC王座を手にしている今、彼はその目標の半分を達成したことになる。
現在、ミドル級には残る王者が2人――WBO・IBF統一王者
ジャニベク・アリムハヌリと、WBA王者
エリスランディ・ララ――しか存在しない。しかしアダメスは、そのうちの一人との対戦だけに関心を示している。ララについては、同じチーム、同じコーチの下で活動していることもあり、深い敬意を抱いており、戦いたい相手ではないという。
「子供の頃からララを見て育った」とアダメスは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「僕はずっとララのファンだった。彼とは同じチームで、同じコーチだ。だから、戦いたい相手ではないんだ」
42歳のララは、その若き日々において巧みなボクシングとフットワークでアダメスに強い印象を与えた。そのスタイルによって彼はいくつもの世界タイトルを獲得し、後により攻撃的なスタイルへと変化していった。
ララ(31勝3敗3分、19KO)のスタイルチェンジは見事であった。証拠としては、直近のダニー・ガルシア戦で見せた9回TKO勝利が挙げられるだろう。
だが、アダメスはララとの対戦を除外している一方で、ジャニベクに対しては強い対抗心を抱いている。両者は長年にわたりSNS上で舌戦を繰り広げており、統一戦に向けた交渉はこれまでに何度も試みられてきたが、いずれも実現には至っていない。それでもなお、アダメスは彼との一戦を諦めていない。
「今の最優先事項はジャニベクと戦うことだ。ララは選択肢には入らない。議論の余地もない」