カネロ・アルバレスは、騒がれたり煽られたりするのを好むタイプではない。だがなぜか、彼の神経を逆なでするような相手は後を絶たない。
2021年11月の対戦前、
ケイレブ・プラントはカネロを苛立たせることに成功した。機会があれば挑発を繰り返し、記者会見では一触即発の場面まで発展した。
エドガー・ベルランガもまた、同様の態度を取った。
しかし、どちらも試合が始まると完敗し、それぞれ無敗記録に終止符を打たれた。そして、屈辱的な敗北を喫したのはプラントやベルランガだけでなく、
ビリー・ジョー・ソーンダースも例外ではなかった。
ソーンダースは長年にわたり、カネロを揶揄することを面白がっていた。話し方からリング上の技術まで、あらゆる角度から攻撃を仕掛けてきた。しかしいざ2人が対戦すると、カネロは一切容赦せず、第8ラウンドに眼窩底骨折を負わせて試合を終わらせた。肉体的にも精神的にも、ソーンダースは徹底的に打ちのめされたのだった。
ソーンダースとの因縁は、4年が経ち、すでに過去のものとなっている。だが、
テレンス・クロフォードとの確執は、まさに始まったばかりだ。
9月13日、両者はついに拳を交える。リング誌認定王者であるカネロ・アルバレスがスーパー・ミドル級の4団体統一王座を防衛し、クロフォードは新たな階級での偉業を追い求める。
試合が最初に発表された際は、両者とも礼儀を保っていた。仲良しではなかったが、互いへの敬意は明らかだった。だが、それは今や様変わりしている。
クロフォードは近頃、言動ともに大胆そのものだ。かつての敬意は薄れ、敵意へと変化した。そしてカネロは、そんなクロフォードに警告を発している。
クロフォードがボクシング史上屈指の名ファイターの一人であることは間違いないが、カネロ・アルバレスは、そんなクロフォードに“おなじみの激しい打ちのめし方”をお見舞いするつもりだ。
「ソーンダース戦、観たよね?」とカネロは『FightHub TV』の記者に問いかけた。「あいつも俺を怒らせた。今回も、ほとんど同じことになるさ。」