金曜の午後、メキシコのスーパースター、サウル「カネロ」アルバレスが、沈黙を破って初めて口を開く。
ザ・リングのSNSに投稿された独占映像での発言だった。ここ数日間でボクシング界は激変し、そのすべてがカネロの今後のキャリアに関わる展開であった。
月曜、ザ・リングは、カネロがテレンス・クロフォードとのラスベガスでの9月開催予定の「リヤド・シーズン」メガファイトに合意したと報じた。クロフォードもまた、4階級制覇王者である。
しかし、そのクロフォード戦は、わずか48時間後に突然立ち消えとなった。代わりに、カネロがSNSスターからボクサーへと転向したジェイク・ポールとの話題性重視の試合に近づいていると見られたからである。
木曜の夜、「リヤド・シーズン」およびサウジアラビア総合娯楽局のトップであるトゥルキ・アラルシクが衝撃の発表を行う。カネロが「リヤド・シーズン」と4試合契約を結び、その第1戦が5月にサウジアラビアのリヤドで開催されるという内容だった。
この決定に不満を持ったジェイク・ポールは、翌金曜日にSNS上でカネロに対して攻撃的な発言を行った。
だが、カネロは強烈なメッセージで応戦する。
「みんな、あのクソみたいなユーチューバーの言うことなんて気にするな。おれは本物のファイターとしか戦わない。カネロとふざけるな!さあ、いこうぜ!」
――ザ・リングが公開した独占映像で、カネロはそう語った。
すでに発表されているように、この4試合契約の第1戦は5月にリヤドで行われる予定だ。ボクシング・インサイダーのマイク・コッピンジャーによると、候補にはジャーマル・チャーロや、ハイメ・ムンギアを番狂わせで破ったブルーノ・スラセの名が挙がっている。
続く第2戦は9月、ラスベガスで行われるリヤド・シーズン主催のメガファイトで、対戦相手はクロフォードの予定。会場はアレジアント・スタジアムが目標とされている。
第3戦は2026年2月、再びリヤドに戻ってのビッグファイトとなる。そして第4戦も同年10月、リヤドでの「リヤド・シーズン」イベントのメインイベントを飾る見込みである。