ラスベガス ——
カネロ・アルバレスが
テレンス・クロフォードと戦う試合が、直近でメキシコのスターがウィリアム・スクールと行った試合のような展開になるとは想像しがたい。
スーパーミドル級の王者であるアルバレスは、5月の精彩を欠いたスクール戦のように、体格で劣るテレンス・クロフォードが自身のパワーを感じた途端に逃げ腰にならないことを、Netflixで生中継される
アレジアント・スタジアムでの土曜の一戦に向けて願っている。
「わからないけど、[もしクロフォードが逃げ出したら]何かしなきゃね」とアルバレスは報道陣に語った。「でも信じてほしい。もし一晩中逃げ回るつもりなら、彼は勝つ気がないということだ。最高の試合をして、ファンが見たいものを提供できることを願っているよ」
クロフォード(41勝0敗、31KO)は同世代屈指の名選手であり、挑戦から逃げたことは一度もない。まして、今回はKOボーナスがかかっていることを考えれば、アルバレス相手に真っ向勝負を挑まないというのは考えにくい。クロフォードは140ポンド級および147ポンド級で連続11試合KO勝利を記録しており、最新の試合では154ポンド級デビュー戦としてイスライル・マドリモフに判定勝ちを収め、WBA王座を獲得している。
4階級制覇王者であり、140ポンドと147ポンドで無敗のまま4団体統一を達成したクロフォードは、今回2階級上げて世紀の一戦に臨む。
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、プロモーション期間中に高まった両者の敵対ムードにもかかわらず、クロフォードに対して深い敬意を抱いている。
「こういったビッグファイトに関われることは本当に嬉しい」とアルバレスは語る。「クロフォードは過去10年間で最高の選手の1人だ。彼はすべてを持っている。完成されたファイターだ。経験も豊富だし、スイッチヒッターでもある。素晴らしい選手だよ。
私は相手を決して侮らない。いつも“マイク・タイソン全盛期”を想定してトレーニングしている」
サウジアラビア、ニューヨーク、ラスベガスを巡った3都市プロモーションツアーで最も盛り上がった瞬間は、クロフォードがカネロを押した場面だった。
身体的な衝突を除けば、両者の口撃は控えめにとどまっている。
「こういう大一番では、お互いに汚い言葉を言い合う必要なんてないんだ」とアルバレスは語った。「俺のことは知ってるだろ。俺は偽善者じゃない。そういうことは好きじゃないんだ。相手が俺にちょっかいを出さない限り、いつだって敬意を払うよ。もしやられたら話は別だけどね」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。 X (旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。