ニューヨーク発 – カネロ・アルバレスは、この微妙な立場に何度も置かれてきたため、何をどう話すべきかを熟知している。

これは、メキシコのスーパースターであるカネロ・アルバレスが、5月上旬に格下の相手を倒した後、9月中旬の対戦相手についての質問を数カ月先送りした最も印象的な例ですらない。

その最たる例が2017年にあった。当時、アルバレスは同胞フリオ・セサール・チャベス・ジュニアを破り、その試合後にラスベガスのT-モバイル・アリーナのリング上で、長らく待ち望まれていたゲンナジー・ゴロフキンとの対戦を正式に発表した。

現在34歳のカネロは、今回はテレンス・クロフォードについて語ることを拒んだ。

アルバレスが5月3日にウィリアム・スクールと対戦するまで2カ月を切ったこの時期に、9月13日の対戦相手として最も注目を集めているのはクロフォードだ。しかし、4階級制覇王者との可能性について、カネロは一切言及しなかった。

アルバレスは、1年前のこの時点ではスクールの存在すら知らなかった。

しかし、IBFがグアダラハラ出身のカネロから168ポンド（スーパー ミドル級）の王座を剥奪したことで、スクールが将来の対戦相手となる可能性を考え始めた。

それでも、スクール（23勝0敗、9KO）は、当時空位となっていたIBFスーパーミドル級王座を懸けた指名試合で、無敗だったロシア人ウラジミール・シシキン（16勝1敗、10KO）に判定勝ちする必要があった。この試合は、10月19日にドイツのフォルケンゼーにあるシュタットハレで行われ、ベルリン郊外での決戦となった。

キューバ生まれでベルリンを拠点とするウィリアム・スクールは、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催されるDAZNペイパービューのメインイベントで、カネロ・アルバレス（62勝2敗2分、39KO）と対戦し、IBF王座の初防衛戦に臨む。

ブックメーカーのDraftKingsは、この12回戦をスクールのIBF王座とアルバレスの『リング』誌王座、WBA、WBC、WBO王座が懸けられた統一戦として設定し、アルバレスを30対1の圧倒的な本命と見なしている。

アルバレスが昨年7月末に剥奪されたIBF王座を取り戻せば、4カ月後にラスベガスのレイダース本拠地「アレジアント・スタジアム」で、テレンス・クロフォードを相手にスーパーミドル級の全公認王座を懸けた防衛戦を行う可能性がある。

「みんなが（クロフォードとの）試合を見たがっているのは分かっている」と、アルバレスは木曜夜にラジオシティ・ミュージックホール**で行われたスクール戦のプロモーション記者会見の前に『ザ・リング』に語った。

「だから、少しずつ意味を持ち始めていると思う。可能性はある。だから、5月の試合が終わってからどうなるか見てみよう。」

アルバレスは、オマハ出身の4階級制覇王者であるテレンス・クロフォード（41勝0敗、31KO）についての言及を避けた。

特に、37歳のクロフォードがサイズ面で不利になることが試合にどう影響するかと尋ねられた際も、コメントを控えた。

「分からないよ」とアルバレスは答えた。「分からない。もしその試合が実現すれば戦うけど、今のところまだ何も決まっていない。」

ドミトリー・ビボルは2022年5月にT-モバイル・アリーナで行われたライトヘビー級タイトルマッチで、アルバレスに完勝した。

しかし、アルバレスはロシアのビボル（24勝1敗、12KO）にユナニマス・デシジョンで敗れた試合の雪辱についても、コメントを避けた。現在、ビボルはボクシング界の新たなライトヘビー級統一王者となっているが、アルバレスは再戦の可能性について触れようとしなかった。

「分からないよ」とアルバレスは語った。「最高の試合をしたい。それが最優先だ。でも、今はまだ何も決まっていない。5月とウィリアム・スクールのことだけを考えている。彼に100％集中している。

気を抜くつもりはないし、しっかりトレーニングを積む。ウィリアム・スクールに集中する。だから、他の対戦相手については話したくない。」

Keith Idec 『ザ・リング マガジン』のスタッフライター兼コラムニストであるキース・アイデックは、X（旧Twitter）で@idecboxingにて連絡を取ることができる。